第368話 リムラ村廃村化計画

悲劇が起こる

100日前より


ガデム村をはじめ近隣の村々で

村人たちを震撼させる

騒動が生じていた


リムラ村に生息する

小動物が 荒々しく

リムラ村から他の地域に

逃げていく姿が 目撃されていたのだ


「一体何が起こっているのだ?

自然形態に 異変が生じている

森林全体が ざわついているようだ・・


地震でも起きるのか?

それとも火山が噴火でもするのか?」

只ならぬ現象に 人々は恐れ

不安を抱くようになっていった


「私の心もひどく騒ぐ・・・

悪い予感がする!」


ガンメルは

スンツヴァル王都の戦士長を引退し

預言者アブラハの推薦の元

ガデム村の村長になった訳だが・・

今回の現象に対して 

どのように対処したら良いのか?

途方に暮れていた・・


そこでガンメル村長は

ヨーデルを呼び

妖精族の守護者である

妻のルスタとソルナの従妹であるサラ

今後の対策を話し合う事にした


今回の騒動は明らかに

悪根の術者によるものだと予想は付くが

想像を絶する大きな悪の力が

働いているように

思えてならなかった・・・



「ガンメル村長!

今回の異変を予期していた

預言者アブラハ様は 

この時の為に、我らを招集し 

この村に派遣したと考えてよろしいですね?」


「その通りだ!

しかし今回の緊急事態は

はじまりに過ぎない・・

そうだな?ルスタ!」


「ええ そうです!

以前 王都で盗まれた古典書には

世の終わりの兆候が 

事細かに書かれていました


私は、一度読んだ事があるのですが

今まさに 預言書通り 

危機的状況が起ころうとしています・・・


いずれ スンツヴァル王都をはじめ

世界7つの大陸で 

悪の力が増大し 

人々を混乱に招いていくでしょう!


しかし このような時に

我々は 失望するだけであってはいけない!

聖典に もっとも重要な事が書かれていました」


「もっとも重要な事とは?」


「巫女様の誕生です!」


「巫女様だって!?

あの伝説の救世主なる方が

ついに誕生されるのか?」


「そうです!

巫女様が 我らを全世界の

人々を救ってくださいます!


だから 魔王に属する

悪根の呪術者達の組織が

巫女様に対抗すべく 

活動が活発になっていると言えるのです!!


つい先ほど

調査隊が戻ってきたのですが・・

以前からスンツヴァル王都の貴族の中で

悪行を行い 評判が非常に悪い貴族として

ハイド伯があげられ・・

我々は 彼を捕らえるべく動いておりましたが


証拠がなく 野放しになっておりました


しかし奴が 

ついに動き出したのです!

リムラ村で 奴の手下であるジキルの姿があり

何か よからぬ事を計画していると

報告がありました!」


「よからぬ事?」


「それは・・・何だ!

リムラ村の廃村化計画です!」


「廃村計画?

何故 そのような事を?

それに あの村は善良な人達が多く住んでおり

悪に染まるような 

村民は少ない筈だが・・・


一体どうやって・・・」

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