第361話 リリー草 葵を守る!

「誰かおるか!!

我は、スンツヴァル王都

アダム皇帝に仕えるハイドと申す!」


「ハイド様?」

(聞いた事があるが・・・

あまり良い噂ではなかったような・・)


「私はリムラ村のダンと申します!

このような小さな村に

どのようなご用件で?」


「先日 わたしの部下が

お前の娘を 見かけたのだが

とても利口な少女だったので


是非会ってみたいと

立ち寄ったのだが・・

後ろにいる少女が その娘か?」


「そうですが・・何か?」


「・・・・・

いや何でもない・・」

(本当に子の子か?

普通の少女ではないか?

何も特別な力は感じない!)


「他に隠している子はいないか?

正直に言わないと

不敬罪で捕らえるぞ!!」


「私の子はこの子ひとりです!

もし疑われるのなら

部屋の隅々まで調べて下さい!

隣近所の住人に聞いて頂いても構いません!!」

ダンは真剣な眼差しで訴えた


「・・・・・・・

もうよい!邪魔をしたな!」


ジキルはハイドと配下の部隊を引き連れ

リムラ村を去った!


「今のは!何だったのだ?

しかし・・恐らくアブラハ様がくださった

リリー草がこの子を 

守ってくれたに違いない!

本当に良かった!」

ダンは深く安堵するのであった


その時だ!

葵が顔面蒼白になり

カタカタ・と震えだした・


「葵!葵!

どうしたのだ?」


「父さん・・・

少し頭がくらくらするだけ

大丈夫よ!」


そう言うと 葵は高熱を出し

意識を失ってしまった・・


「葵!!

しっかりしろ!葵ーーーー」


待っていろ!

すぐに医者を呼んでくるから!」


ダンは家を飛び出すと

ガデム村のヨーデルの元へ向かった


(もしかしたら・・・あの薬が

あの子に何か? 

異変を生じさせたのかもしれない・・


あの薬を飲んでから

この子の強い生命力が 失われたようで

とても気になっていたのだ・・・


しかしそのお陰で

先程の王都の貴族達に

怪しまれずに済んだのだが・・・

何とかしなければ・・・

あの子の命が危ないかもしれない!!)


ダンが家を出て 30分後

邪悪な意志が働いた・・


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