第352話 恐ろしい知恵力

ダンは葵をガデムの町の

学校に行かせたかったが

葵を外に出す事に 消極的であった


なぜだか・・分からないが

表に出してはいけないと 

神から示されているように感じていた

まだ その時ではないように思えた・・


しかし葵は 文句ひとつ言わず

ダンの言いつけを守り 

決してわがままを言わない

聞き分けが 良すぎる性格であった 

しかも根が明るい!


母親に似たのか?


見た目も可愛く 

話す言葉に知恵があった

葵は5歳になったばかりが とても利口であり

素直な子だった そして勉強家で 本が好きだった

知識をどんどん吸収するので

恐ろしく感じる程であった


ダンは月に1度

ガデム村に買い物へ行く時

葵の為に 必ずお土産を買ってきた

葵は 何を買ってきても喜んだが

特に喜んだのは 歴史書であった


「葵 明日 

ガデム村に行こうと思う!

何か欲しい物 あるかい?」


「何でもいいわ!」


「そうか・・・」

お前は 欲がないなぁ・・・


「では7大陸の歴史書の本が

新しく出版されたから

その本を買ってきてあげよう!」


「7大陸の歴史書?

嬉しい!父さん ありがとう!!

楽しみにしてるわね!」


「そのかわり

父さんとの 約束を忘れてはいけないよ!」


「ええ 誰が尋ねてきても

決して 家には入れないわ!

それに 知らない人に ついていかない!」


「そうだ!

約束だぞ!」


「はい!」


実は これまで何度か

貴族の服を着た 怪しい輩が 

リムラ村をうろついた・・・


ダンも何度か 声をかけられ

葵の事を調べているような 

怪しい素振りをするので

自分には子供はいないと 嘘を告げていた


しかし葵の存在を知られるのは 

時間の問題のように思えていた


葵と彼らは 

決して合わせてはいけない!

何故か そのように思えてならなかった。。


(あの子を 必ず守る!)

ダンは固く決心していた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る