第351話 葵5歳(11年前)

「おはよう!葵

よく眠れたかい?」


「おはよう 父さん!」

葵はパッと目が覚めると

ベットから飛び起きた!


「あのね!

昨晩、とっても素敵な夢を見たのよ!

見たことがない綺麗な丘があって

父さんとピクニックに行くの!


私が美味しいデムの実の

サンドイッチを作って

父さんが 美味しいね!って

褒めてくれたよ!

今度 作ってあげるね!」

葵はとても嬉しそうに

夢の話を現実の出来事かのように

話をする子だった


「ありがとう!葵

葵はよくお手伝いして

料理も上手だものな!


今度の週末

夢が現実になるように

ピクニックに行こうか!」


「本当?嬉しい!!

私自然が大好きなの!


リムラ村は 自然が豊かで

空気は美味しいし 

可愛い花がいっぱい咲いてる


この素晴らしい世界は 

神様が造ってくださったよね!


そして私達にも命を 

与えてくださった!

私も父さんもリムラ村の皆も

生かされている存在なのよね!


神様ありがとう!って言いたいわ!」

(葵は本当に神様に感謝しているようだった)

(この子は 何て信仰心がある子なのだろう・・・)


ダンは葵が感受性が豊かで

神への信仰心が高い事に驚かされ

大人では気付かない素直な信仰心は尊いと

日々思わされ、驚かされる事が多かった


葵と話をするだけで 

自分の心が素直になり

神を求めて生きる事が 

いかに大事な事か 

感じずには おれなかった


葵が誕生して5年が経過し

リムラ村は、これまでにない変化が生じていた


自然界が力強く 息づいていた!

草花が青々とし 空気が澄んでいて

大地がとても肥えているのだ!


ヨーデルに与えられた土地からは

毎年驚くほど豊かなデムの実が収穫できた

そしてダン農家はとても評判が良く

しかし不思議と 

他の地域に広まる事がなかった


預言者アブラハが 

ヨーデルに命じて

ダンとの取引きは 

ヨーデルのみと決めらており

それがダンとヨーデルの間で

交わされた契約でもあったのだ


葵は、活発な子であり

隣近所の子供たちと仲良くし

皆に慕われる存在となっていた


(葵に巫女の片鱗が出始める頃であった)


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