第326話 『額に神の印』②

一つの巨大な星が

天から地上に落ちた

その星には底知れぬ穴を

開くかぎが与えられた


その星が底知れぬ穴を開くと

穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り

太陽も空も この穴の煙によって暗くなった


すると煙の中から

いなごが地上に飛び出してきた!

彼らには、地の蠍の持つような力が与えられた


そして地の草やすべての青草や

全ての木には害を加えないで

ただ『額に神の印』を押されていない人間にだけ

害を加えるように言い渡された


しかし人間を殺すことは許されず

蠍が人を刺したときのような

苦痛を与えるのであった!


人々は死を求めるが 

どうしても見いだせず

死を願うが 死が彼らから

逃げて行くのであった


そのいなごの形は 

出陣の用意の整った馬に似ていた

頭に金の冠のようなものを着け

顔は人間の顔のようであった


また女の髪のような毛があり

歯は、獅子の歯のようであった


また鉄の胸当てのような胸当てを着け

その翼の音は、多くの馬に引かれた戦車が

戦いに馳せつけるときの響きのようであった

そのうえ彼らは 蠍のような尾と針とを持っており

尾には 人間に害を加える力があった



しかし本物のアポリュオンにとって

予想もつかない現象が起きていた


『額に神の印』を押されていない

人間は全世界で半数以上いると予想していた


彼らが受けた『蠍の呪い』の苦しみが

魔王ルシフェル復活の

生贄となる筈だったからである


しかし葵聖巫女の影響を受けた

12弟子達の宣教の働きが

7大陸世界全体に広がっており

リバイバルの勢いは凄まじく

祈りの輪が予想以上に大きかった


悪根の呪いを受けた者達が

極めて少なかったのだ


「どういう事だ?

7大陸の人間の多くは

神を信じず 我らの悪根の支配下に

あった筈なのに!


これほど多くの人間が

神を信じるようになったというのか?」


「そうだ・・・お前たちは

見余ったのだ!

そして私の力をも・・・

神の元に帰り 最初は僅かな善の心だったが

今は 人々の多くの祈りによって

私は妖精族の最高位である

妖精クイーンまで進化する事ができたのだ!


お前が本物のアポリュオンだと言うが

そうではない!

今は悪より善の心が勝っている!


アポリュオンよ!

私こそ本物のアポリュオンだ!」


ついにアポリュオンVSアポリュオンの戦いが始まった!

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