第305話 ソルナとアポリュオンの和解
アポリュオンは
7大陸会議の場に
自分がいる事に
酷く違和感を覚えていた・・
なぜなら2日前までは
「赤い星」総督であり
ここにいる
7大陸の代表者達にとって
もっとも恐れられ
憎むべき対象であったからだ
そして皆が一番心を痛め
複雑に感じていた事は
皆が愛し尊敬していた存在
葵巫女の命を奪ったのは・・・
アポリュオン
その人である事実を
避けては通れない・・
7大陸代表者達は
アポリュオンに視線を向けた
アポリュオンは
彼らの視線を優しく受け止めつつ
静かに語り出した・・・
◆
「私の名はアポリュオン!
「赤い星」総督として
これまで全世界に
破壊と混迷を及ぼしてきた存在
ここにいるあなた方にとって
最も憎むべき対象であることは
間違いないでしょう・・・
全ての責任は私にあります!
もしあなたがたが
私に命の償いを求めるならば
私はどのような申し出も
甘んじて受けるつもりです・・
本当に申し訳なかった
どうか赦して欲しい・・・」
<アポリュオンは深々と頭を下げた>
「・・・・・・・・・」
一同は複雑な心境と恐れを
隠しきれずにいた。。
アポリュオンは
本当に改心したのか?
我々を騙そうとしているのでは?
疑わしさを覚えつつ
誰ひとり言葉を発する事が出来ない
しかも目の前にいるのは
『魔の化身アポリュオン』とは思えない
可憐な少女であり
葵巫女様と酷似しており
妖精族の加護者として
最高位の存在である事は間違いなかった
<各々戸惑いを
隠せなかい状態が続いた・・>
「私がどのような言葉を並べ立てても
信用を得られる事は
難しいかもしれない・・・
しかしこれから全世界は
破滅の時代が始まろうとしている・・
魔王ルシフェルが
我々の想像を遥かに超える
残虐非道な行為がなされ
誰もが死を願う程
過酷な時代と言えるでしょう
私は世界が破滅せず
人々が絶望に屈しないよう
力を尽くしていきたい!
命をかけて、あなたがたを守りたい!!
どうか挽回の機会を与えて欲しい!!
葵巫女が十字架にかかり
死んで葬られ
3日目に蘇る事は
神の御計画である事を知って欲しい
最後の巫女である
葵の『死と復活』には
大きな意味があり
全世界の人々を救い
天国という永遠に続く世界に
招き入れる印となるのです!
どうか私を信じて欲しい!!
アポリュオンの切実なる訴えを聞いて
葵巫女の母ソルナは立ち上がり
アポリュオンにそっと近づくと
頬に口づけをし
和解の証を示した
◇
「アポリュオン様
私は、あなた様を信じます!
あなたは2000年間
魔王ルシフェルに騙され
支配されていたに過ぎない
恐らくきっかけは
あなた様の姉君
初代巫女様への嫉妬からでしょう
あなたも多くの
苦しみを受けてきた
被害者だと思います
どうか我々と和解し
これからの魔王ルシフェルとの
戦いに力を貸してください!」
「ソルナ
ありがとう!
起源の存在:神の御名によって
あなたとの約束を果たす事を
ここに誓おう!!」
ソルナとアポリュオンは
互いに抱きしめ合い
7大陸代表者達とも和解し
堅く握手を交わすのであった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。