第274話 神魔具「赤星剣」

総督ゴモラは

アポリュオンに思念を送った


≪アポリュオン様・・

巫女による神災は

予想以上に脅威的であり

我らは壊滅的になっております


どうか・・我らに

神魔具「赤い星」を授けてください!!


我らの組織の名がついた

最終兵器があれば

必ず巫女に対抗できる筈!


総督ゴモラは

第六神災「太陽消滅」が下った時より

アポリュオンに思念を送り続けていた


≪どうか神魔具「赤い星」

を授けてください≫


≪神魔具「赤い星」を!!≫


≪神魔具「赤い星」を!!≫


≪神魔具「赤い星」を!!≫


3日間繰り返す事

6666回!!


ついに「赤い星」皇祭アポリュオン

その人が姿を現した!


◆◇


≪アポリュオンの背後には

四つの生き物がいた≫


よかろう・・汝に

四つの封印の一つを解き

力を与えよう・・・


四つの生き物の一つが

雷のような声で

「来なさい」と言った・・


すると火のような赤馬が現れた

この馬に乗る者は

地から平和を奪い取ることが

許されている・・・

人々は互いに殺し合うようになる為のもの


そしてゴモラは

封印されていた力

神魔具「赤い星」の秘宝である

魔具「赤星剣」が与えられた


≪行け!!!

ゴモラよ!!!

そして巫女の力を 奪え・・

そして巫女の血を流すのだ


巫女の血によって

『魔王封印』解放が成就する!!≫


そしてアポリュオンと

四つの生き物は姿を消した・・


ゴモラは魔具「赤星剣」を手にすると

悪根の力が無限に

増大していくのを感じた


地が激しく震え 割けた・・


第六神災「太陽消滅」により生じた

暗黒化した闇は

魔具「赤星剣」を振りぬく事で


完全に打ち消す事が可能となった

ゴモラはソドムを脱出すると

ひたする葵巫女の元へ「赤馬」を走らせた


「赤馬」の青く光る眼は

見る者を瞬時に悪根に毒させ

精神汚染させ人狂化させる


かつてスンツヴァル王都において

魔具デュエルが発動された際

市街地は大混乱をもたらせたが・・


「赤馬」による人狂化は

その比ではなく

瞬く間に町は大混乱し

カオス化する事は必至である


そして最も恐ろしいのは

「赤馬」に乗馬する者が

魔具の力に飲み込まれ

魔獣化が進む!


ゴモラは

魔獣のような唸り声を上げ

口から怪気を放ち

やがて「赤馬」と一体化し

半人半獣化していった

もはやこの世の生き物ではない


かつて暗黒の魔王が封印される前

第Ⅳ大陸:大陸アシュルに

生存していた伝説の魔獣戦士が

今この世に現れたのであった!!


魔王復活の予兆であるといえる


◆◇


遡る事 10日前葵巫女は

アポリュオン配下ジキルと戦った際

父ダンは犠牲となり

命を落とした


その際父ダンが

葵巫女を庇いはしたが

僅かに巫女の血が地に流れた


巫女の血は

魔王封印を解くカギであり

今回ゴモラに与えられた

魔具「赤星剣」は

ジキル戦で流された巫女の血が

地に流れ・・封印が解けたものであった


アーサー国

地下深くに眠る

アポリュオンの闇帝国が

いよいよ目覚めようとしている!

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