第265話 魔具『暗黒の盃』

バラク王は

巫女による神災に打ちのめされ

全面降伏をしたい!思いであった

しかし降伏するという事は

「赤い星」アポリュオンへの裏切り行為!


自分自身に呪いが迫り

死よりも恐ろしい

闇の世界へ引き入れられてしまう・・


あの方は非常に危険なお方だ・・


バラク王はこれまで

アポリュオンと接見をした事はない

確かに存在するが

姿を決して現す事がなく


30日に1度

玉座の暗幕背後に姿を現し

声なき声を発し

直接魂に指示を与えてくる!


アポリュオンの存在は

魂を吸い取られるような

緊迫した緊張感が常にあり

冷や汗が止まらず

死という絶望の世界を連想させられる・・・


そして全身の血が

黒く染まるかのように

燃え滾り痙攣が止まらなくなるのだ”


アポリュオンから伝わる

恐怖というオーラは人を震撼させる・・

それ故に

巫女の神災の恐ろしさとは

比較にならない・・


だから過酷な神災であっても

まだ耐えられるのだ・・


それに巫女が

アーサー国に来る事は

1年も前から

伝えられ・・分かっていた事


だから今回の神災の数々も

ある程度予想はできていた・・・


しかしいつも後手に回るばかりで

国全体でかなりの混乱が生じた事で

多くの国民が敵側に寝返り

ルエラ民族が住むカナンの地に身を寄せている・・


次に巫女が起こす

神災の前に

我らが反撃を与えなれけば

バラク王自身の命が危うい事を

覚悟しなければならなかった!


もう後がないのだ・・・


バラク王は

「赤い星」組織の魔宝

『暗黒の盃』を手に取った


『暗黒の盃』は

アポリュオンの分身ともいえる魔具であり

巫女の攻撃を無効化し

魔の力に反転させ

大ダメージを与える力を秘めている!

非常に恐ろしい魔具である!


かつて先代巫女が生存していた時代

この『暗黒の盃』によって

巫女に宿りし妖精族の力を

完全に無効化に成功していた


「今晩、私はアポリュオン様に次ぐ

最強の力を得る事ができる!


巫女よ!

今晩お前の命を

アポリュオン様にお捧げする!

覚悟せよ!!」

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