第251話  葵巫女VSジキル②

葵巫女はヴェールを外した

そしてこれまで蓄えてきた

巫女の力を完全に開放すると!


「光よあれ!」

葵巫女は言葉を発すると


暗黒の地下道は

強烈な光が地下道全体に開き

もはや闇の部分は存在しなかった

そして地は大きく揺れ、壁が裂けた!!

そして人を飲み込むような大きな亀裂が生じた!


■◆◇


葵巫女から発せられる光は強烈であり

全ての魔具を破壊する

聖なる神の光であった!


魔具ハルマは完全に

破裂されてしまったが

魔獣化したジキルを

止める事は容易ではなかった!


ジキルは全力で容赦なく

葵巫女に襲いかかった!

風を切るような素早い動きで

誰もその動きを捕らえる事はできないが


葵巫女だけは

並外れた身体能力を身につけており

全ての攻撃を瞬時に見極め、攻撃に転じた!

見た目は少女という

外見からは想像できない

強力な拳を繰り出しジキルに応戦した


「ぐはっ!」

ジキルは全身が砕ける程の

衝撃を受け何度も受け血を吐いた


葵巫女が繰り出す攻撃を受けて

本来、立っていられる事すら奇跡であるが


ジキルの攻撃は止まらず

さらに身体能力が高まり

極限状態に達しつつあった!


葵巫女はそれでも繰り返し攻撃するが

全くダメージを受けていない現状に

少しづつ焦りを感じはじめた


「このままでは

キリがない・・・

早く決着を付けなければ

ジキルの力が私を上回ってしまう!


本当は使いたくなかったけれど・・


葵巫女は全力で

最後の攻撃をしかける覚悟をきめた


しかしその為には

どうしても僅かな0.01秒の時間が必要であった!

その間ジキルの攻撃に

耐えなければならない!


しかし一度でもまともに

ジキルの攻撃を受けてしまうと

私は命を失ってしまうかもしれない!


一瞬で良い!

ジキルの足を止める方法はないだろうか?

葵巫女は必至で思考を働かせた


(一体どうしたら良いか・・)

その時だ!背後で声がした!


「葵巫女様!

私に任せてください!」


背後からかすかな声が聞こえた


「誰ですか?

懐かしい声のような・・・


しかし葵巫女は声の主に

返事をする余裕がなかった


(誰だか分からないけど

背後の声の主にかけることが

神が用意されたラストチャンスで

あることは理解できていた!


ここでジキルの攻撃を止め

大陸エデンに行かなければ

これまでの全ての人達の

犠牲が無駄になってしまう!)


「お願い!!」

大声で叫ぶと背後より

声の主が葵巫女の前に現れ

ジキルの最後の攻撃の身代わりとなった!!


一瞬隙が生じると

葵巫女は、全盛期の初代巫女様の力に匹敵する

妖精王の神技「カリブルヌス」を発動した


ジキルは倒れ

力尽き、灰化した


完全なる勝利であった!!


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