第208話 不破の洞窟の呪い

「勇者ラック様!

『不破の洞窟』はたった1人しか

入る事ができません!


心の準備は出来ていますか?」


「ええ!

いつでも大丈夫ですが・・


その前にアリーナさんが

一族の掟を破って

「不破の洞窟」に行こうとした訳

ゲルドさんを巻き込み

なぜあのような呪いを受ける事になったのか?

詳しく話を聞かせてください!」


「ラック様!

私から話をさせてください!」

アリーナが説明を始めた


「私は当時14歳

好奇心旺盛で

シロダの末裔一族の狭い世界で

暮らす事に息が詰まりそうでした


しかし毎日財宝を求めてやって来る

冒険者達と交流を深めるうちに

外界への興味が次第に湧いてきました!


そして彼らが命がけで

捜している伝説の財宝

『黄金の王冠』『竜頭の指輪』

がどのような物なのか?

ずっと気になっていました!


きっと価値ある財宝で

手に入れる事ができたら

自分の人生が大きく

開かれるような気がしていたのです!


しかし「不破の洞窟」は子供の頃より

『決して侵入してはならない!』と

祖父や父からきつく戒められており

危険な所と認識していましたが・・・


ついふらっと惹きつけられるように

洞窟に足を踏み入れてしまったのです!

これまでも偶然に通りかかった

冒険者が誘い込まれる事があり

戻って来た者はおりません・・

「不破の洞窟」は

そのような不可思議な魅惑を秘めているのです!


父は私が「不破の洞窟」

に侵入した事を知り

私を連れ戻そうと

追いかけてきました!


しかし私は洞窟に入ってすぐに

足が震え、立ち往生し

強い恐怖心に襲われ

動けなくなってしまったのです!


そして父は、私を助け出そうと

洞窟内に入ってきた時

私に襲い掛かろうとした悪根の呪縛が

肉眼で確認できる程

強烈な魔のオーラを放ちながら

私に迫ってきたのです!!


しかし父は

身を挺して私を庇い

私を逃がしてくれたのです!


しかし父は暫く格闘しましたが

呪縛に覆われ、長く悪燐に触れた為

洞窟から出てきた時は

狂人化していました・・


私を娘と認識もできず・・

私は父を元に戻そうと画策しましたが

全く手に負えず・・

途方に暮れてしまいました。。


その後、父は

山々を彷徨い、暴れ大声を上げ

やがて墓場の呪いの支配者に

なってしまったのです!


その後、私は父を助けて下さる救世主を

ずっと待ち続けていました!

しかし1年経ち、2年経過した頃

スンツヴァル王都で救世主

巫女様が出現された事を知り

王都の様々な問題を解決されている事を知りました


私はいつか我が里にも

来てくださるのでは?と

ずっと待ち望んでいましたので

今回巫女様の使徒である

ラック勇者様が来てくださり

父を救い出して下さった事・・

父への懺悔の気持ちもあり。。

これから親孝行をしたい!

そのような気持ちで一杯です!


勇者ラック様!!

どうか「不破の洞窟」に眠る

伝説の財宝発見が

王都の原因不明の病に

どの様な関わりがあるのか?

どうか解明して下さい!


「不破の洞窟」は

洞窟に入るとすぐに

邪悪なオーラが襲い掛かってきます!

強い金縛りに合いますが


父を解放してくださったラック様なら

きっと対抗でき

洞窟全体を支配する悪根の支配力を

完全に消滅できる!と

信じています。」


「分かりました!

しかしそもそもどうして

「不破の洞窟」はそのような呪縛に

支配されるようになったのですか?」


「私が詳しくお話しします・・

わが一族がどういった経緯で

この地に根を下ろし

『黄金の王冠』『竜頭の指輪』を

守り続けているのか!」

ゲルドはラック達を

500年前の盗賊団首領シロダの手記が保管されている

宝物庫に案内された

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