第120話 最初の晩餐②

各自与えられた役割を果たし

ようやくパサラ料理は完成した!


その時だ!

葵は懐かしさと

嬉しさのあまり

額から涙が一滴落ちた

「あっ!ごめんなさい!!」


出来立てのパサラ料理に

妖精の涙が入った瞬間

預言者アブラハが与えた息吹と同じような

空間が一瞬変化した

(時が止まったようだ)


パサラ料理は輝きを増し、部屋の中は

何ともいえない幸せな香りが漂っていった


「皆さん!

ごめんなさい

不意に私の涙が・・」


「葵巫女様の涙なら喜んで

逆に光栄に感じますよ!」

(葵巫女は少し頬を赤らめていた)


「では神に祈りましょう!」


『全治全能なる神よ!

今宵は愛する友たちと共に

晩餐の時が持てることを感謝致します!


どうか我らに命の糧を与え

養い強めてください!


我らの中には深い傷を負い

今尚苦しみの中にいる者がいます

どうか今癒しの御手を差し伸べてください!

一日も早い回復をお与えください!


今日よりMIKOハウスで

共に生活をはじめますが


我らはただ仲良しというだけでなく

この国と近隣諸国の悪種の影響を弱め

特に赤い星から世界を守り

平和実現を目指す!という使命のもと

これから自分達に何ができるか?をしっかり見極め

行動することができますように!

ひとりびとりが持てる力を伸ばし

賜物が発揮されていきますように!


そして誰ひとり

危険な目に合う事なく

命を!我らの命をお守りください!』

(葵巫女は心を込めて祈った!)


「今祈りましたように

私達には世界平和という

大きな目標があります!

この目標実現の為には私達だけでなく

多くの仲間と協力者を

増やしていく事が必須です!

人が動くということは

それだけ経費が増えるということです!

経費はすべて巫女府から出します!


そしてとリエラ族のナミが持参した

黄金、乳香、没薬は

このMIKOハウスのメンバーの為に

用いようと思います!


ヨーデル執事!

彼らの贈り物である黄金が

どれほどの価値があるかわかりませんが

明日調べて頂けますか?


「承知致しました!」


黄金で得た資金は

ここにいるメンバーと

あらたに加わる予定の者達

に分配します!これは巫女府を通さずに

各自の判断で使用できる資金と考えてください!

許可は必要ありませんが

執事のヨーデルに報告はお願いします!


「では晩餐を頂きましょう!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る