第87話 王族の身代わり


葵巫女がカフェに到着し

ベアトリスより先に

店に入った瞬間の出来事である!

貴族マフィアの武装組織が店内に潜入し

ガンブリヌスカフェは

一瞬の内に占拠されてしまったのだ!


「扉を閉めろ!

誰も外に出すな!

店の中にクリス王子とエルサ王女がいる筈だ!

すぐに捕えよ!

人質にするのだ!!」


潜入してきた貴族マフィアは達は

店内をくまなく探し

クリス王子とエルサ王女を探し回っていた!


葵巫女は

マフィアが突入してきた瞬間

店内にきている客の中から

クリス王子とエルサ王女の居場所を瞬時に察知し

ラックの居場所を確認し

これからなすべき作戦を

目で合図し合った


そして貴族マフィア達に捕えられる前に

クリス王子とエルサ王子に近づき

作戦をを伝えた


「クリス王子ですね?

マフィア達はあなた方を

捕えようとしています!

捕まってはなりません!

今、店の外に巫女府の侍女長がおり

恐らく王都に応援要請を

かけていると思いますから

それまで身を潜めていてください!」


「君は誰?」


「あとでお話します!

あなたがエルサ王女ですね?

私が身代わりになりますから

急ぎ王女の服と私の服を交換してください!


それから彼はラック!

王子の身代わりになりますから

すぐに衣服を交換してください!


エルサ王女は怯えて

固まっていたが

葵巫女に言われるがままに

エルサ王女のロングドレスと

王族の証であるティアラを葵に

クリス王子もラックに手渡した!」

葵巫女とラックは素早く着替え

自分の衣服を手渡した


「王子!いいですか?

カフェのカウンターの横に

2階に通じる階段があります!

僕達が彼らに話しかけ

隙を作りますから

急ぎ2階に避難してください!

ダンテ執事と言いましたね?

あなたがしっかりお二人を誘導してください!

いいですね!」


「はっ・・はい!」

ダンテ執事はラックの指示に圧倒され

ふたつ返事で答えてしまった


「待ってくれ!

君達は僕達と同じ年に見えるが

どうして身代わりにならなきゃいけないんだ!!

君達に危害が及ぶじゃないか?」


「クリス王子!

あなたはこの国の未来を背負うお方!

あなたにもしもの事があったらどうするのですか?

アダム皇帝が悲しまれるでしょう!!

私達は大丈夫です!

王子と王女に手は出さないでしょう!

さぁ!急いでください!!」


(しかしこの少女と少年

どこかで見たことがあるが・・・雄弁であり

強いリーダーシップを感じるが・・・一体何者だ?

とりあえず彼らの指示に

従った方が良さそうだ・・)


クリス王子とエルサ王女は

ダンテ執事に連れられ

2階に上がる、機会をうかがっていた


その時だ!

ラックはカフェ中央に進むと

大きな声で叫んだ!!


「私がクリス王子だ!

お前達は誰だ!

何故このようなテロ行為を!!

お前達の目的は王族である私だろう!

私が人質になりますから

他の者達はすぐに解放せよ!」


(マフィア達は

突然の王子の出現に

驚いているようだった)


「お前がクリス王子か?

そして後ろにいるのがエルサ王女だな?

自ら名乗り出るとは、さすが王族だな!

しかし威勢がいいのは、今の内だ!

マフィア達は高笑いすると

ラックと葵巫女を縄で縛り

イスに括りつけた


噂では、エルサ王女は

傲慢で臆病な少女だと聞く・・

少し脅せば、泣きついてくるだろう!!


「いいか!

俺たちの要求は一つだけだ!

明日、アダム皇帝が告知する

利息規制法の改正についてだ!

改正法を撤回しないと

王子と王女の命はないぞ!!」


「さぁエルサ王女!

王女からアダム皇帝に

改正案撤回を要求してもらおうか!!」


■□■◆◇


その時、2階に逃れた

クリス王子とエルサ王女は

マスターに案内され避難していた


「マスター!

彼らは誰だ?

なぜ身代わりなど・・・」

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