第65話 大聖冠の授受式

「只今より葵巫女様

即位の儀を執り行う!


葵巫女様

前へお越しください!」


アダム皇帝と

祭司長アザリヤ

巫女府館長ドルモンド候3名による

葵に巫女の象徴を表明する

大聖冠の授受式を執り行われた!


大聖冠には2,868 個のダイヤモンド

273 個の真珠、17 個のサファイア

そして11 個のエメラルド、5 個のルビー

といった貴重な宝石が幾つも装飾されている!


『葵巫女様に!

末永くご繁栄を!!』

アダム皇帝の宣言に

12人の王都軍団長

『黄金の羽』の部隊長サムル

祭司長、上級貴族、役人達が

葵巫女にひれ伏した!


そしてこれから葵巫女と

シェアハウスで生活を共にする

クリス王子、エルサ王女

そしてラック、アニー

デルとシズ、ヘルド達の姿もあり

同じく最敬礼をした

その後、厳粛に授受式が執り行われていった


(式は無事に終わった)


「葵巫女様

とてもキレイだったね!」


「ああ!

しかし最近まで普通に友達として

接することができたのになぁ・・・」

ラック達は少し寂しさを感じつつも

葵への熱い使命感をさらに強めていった!


「さぁ!今から

ロイヤルファミリー主催の

晩餐会だ!

お前たちの席はこっちだ!」

ヨーデル執事はラック達を

末端の席に案内してくれた!


その時だ!

『黄金の羽』の部隊長サムルが

ラック達に近づいてくると

いきなり刀を振りかざし

襲いかかってきた!


ラックは部隊長サムルから

殺気を感じなかったので

微動だにしなかったが

アニーとデル、シズ、ヘルドは

腰が抜けて 座り込んでしまった


「流石だな!

未来の勇者ラックよ!

しかしこの程度なら 

妖精族の上級守護者達なら容易にかわし

相手の悪根の術の種類を見極め

即座に反撃する事が可能だ!


ラックよ!お前からは

まだ闘争心というものがまるで感じられない!

「赤い星」組織は 悪根の術を用いて相手を洗脳し

リムラ村のように廃村化する能力スキルだけでない

魔具を用いて 飛躍的に戦闘能力を高め

岩石を粉砕し 山を一瞬の内に消し去る程の

能力を秘めた者も多くいる!

今のお前では 即座に倒され

命を落とす事になるだろう・・


お前達は「敵を倒す!」という覇気と

「妖精族の秘術」

『7つの星スキル』習得の為に

明日から1か月訓練に入って貰おう!

そして最終日試験を行う!

もし合格できなければ

『黄金の羽』部隊の入隊を認める訳にはいかない!

即刻リムラ村に帰ってもらおう!!


「良いな!!」

部隊長サムルは 威厳に満ちた発言に

ラック達は圧倒されてしまった・・


「はい・・・」

(何だ・・・この人は・・

凄いオーラを感じる・・

これが妖精族上級守護者の実力なのか・・

サラさんやルスタさんとレベルが違う・・)


「僕達は負けない!

必ず合格してみせる!!」

ラック達は明日からの訓練に

胸を熱くするのであった!



□◆□◇◆


30分後

王室専属フレンチシェフパティシエによる

フルコースが運ばれてきた!


『スンツヴァル海老のポワレ

 リードヴォーのムニエルとブリヤサバランのソース

 黒毛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ 皇帝風

 マデラ酒香る ソースぺリグー

 天使のミルフィーユ

 洋梨とシナモンのマリアージュ等』


「ラック美味しいね!

こんなご馳走食べた事がないね!」


「ああ・・・味が複雑すぎて

庶民の俺たちにはもったいない料理ばかりだ!」

ラック達が談話していると

葵巫女の周囲が騒ぎはじめた!!


「ラック見て!

葵巫女様の様子が変だよ!!」


葵は運ばれてきたフルコースを一口食べた瞬間

顔色が悪くなっていった!!


「葵巫女様!

どうかされましたか!!」

ドルモンド候が声をかけた瞬間

葵の顔は蒼白になり、冷や汗が

止まらなくなっていった・・・


「大丈夫です!!

少し気分が・・・・

せっかくのお料理なのですが

私には食べられそうにありません。。

ゴメンナサイ・・・」


葵はもともと食が細く

かつて父と同居していた時は

朝と夕にデムの実ひとつしか食してこなかったので

ご馳走に対する免疫ができていないようだった!


「ドルモンド候!

どういう事だ!

葵巫女様の食偏について

なぜ報告しなかったのだ!!」

アダム皇帝は怒り心頭だった!


「申し訳ございません!

ガデム村におられる時から王都到着まで

サラという調理人に葵巫女様の食管理すべてを

任せておりましたので

リサーチ不足をお許しください!!

今後はサラがシェアハウスの食事の

管理を行いますので、このような不手際が

起こらないように!

徹底して参ります!!」


「そうか!今後二度と葵巫女様の

体調を損なう食事は提供しないように!


そしてサラという調理人に

食事内容の報告をさせてくれ!


今後、葵巫女様が召し上がられる食事の水準を

我々が上回る事があってはいけない!

王室の食事内容も見直す事としよう!


皆の者も従うように!!」


「承知致しました!!」

その場にいた上級貴族以下

全ての国民が食事の簡素化に従う事になった


「葵巫女様が水準なんだね・・・

凄いことだね・・・」

(ラック達はその場のやり取りに

ただただ驚かされるばかりだった)

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