第3話 意識不明の少女
「助けて!!
早く私を見つけて!
このままでは 魂に
大きな傷が生じてしまう...」
ラックは再び
同じ夢を見た・・
しかも今度は鮮明であり
相手の顔は分からなかったが
少女である事は間違いなかった
「誰かが 僕に助けを?
これは夢の中の出来事ではないのか?」
ラックは、最初はすぐに夢を
忘れてしまっていたが
最近は 夢から目が覚めても
鮮明に記憶するようになり
次第に 胸が騒ぎ出し
いてもたっても おれなくなっていた
しかし夢の話など
誰に相談したら良いのか?
友人のアニーとデルに話ても
きっとバカにされるだけだと思えてしまう
父ヨーデルに話ても良かったが
リムラ村復興の為に
多忙を極めており
最近リムラ村で
ちょっとした騒ぎが起きていたようで
今日も昼から、出かける事になっているようだ
リムラ村・・・
ラックはこれまでリムラ村が好きではなく・・
何故父がそこまで
肩入れするのか理解できないでいた
でも例の夢を見るようになって半月がたち
今朝見た夢が もっとも鮮明であり
それが何故だか・・
リムラ村が関係しているように
思えてならなかった!
「僕は、リムラ村に行くべきではないか・・・
よし! 決めた!!!」
■□■◆◇
「父さん!」
「何だい?
ラック!」
「あの・・
今日もリムラ村に行くの?」
「ああ そうだよ!
大切な用事があってな!」
「父さん!
僕も 連れていってくれない?」
「お前もリムラ村に
行きたいというのか?
どうしてだい?
今まで何度誘っても
行きたがらなかっただろう?」
「それは・・・」
ラックは夢の話をしようか?迷ったが
必死に頼んで父ヨーデルについて行く事になった
「父さん
今日はどこの農家に行くの?」
「ダン親子の家だよ!」
「ダン親子?」
以前聞いた事があるような・・
「そうだ!確か・・・
父さんと母さんが
夜中に 話していた親子の名が
ダン親子だったような・・
確か娘さんが いたような・・・
しかもリムラ村の騒ぎに関係があり・・・
深刻な話をしていたような・・
どんな家庭なのだろう・・・」
ラックは、とても胸騒ぎがした
(もしかしたら・・夢に出てきた少女は
ダンさんの娘なのだろうか・・・)
「ラック!着いたぞ!
父さんは ダンがいる農場に行くから
お前はこの辺りの散策でもしていなさい!
用事が終わったら
声をかけるからな!」
「分かったよ!父さん!」
ラックは父と離れ
ダンの農場周辺を
散策しに歩きだした
すると ダンの作業小屋の前で 何と!
少女が倒れているではないか!?
ラックは、ひどく驚き
恐る恐る少女に駆け寄り
声をかけた
「どうしたの!!
君 大丈夫?」
少女から返事はなく・・・
意識を失っており
ひどくぐったりしていた
「ねぇ!!!
しっかりして!!大丈夫?
すぐに父さんを
呼んでくるから!!
待っていてね!!!!」
ラックは
何度声をかけても
まるで反応はなく
まさか死んでいるのでは?と
驚きひどく恐れた
そしてすぐに父ヨーデルを呼びにいった!
ラックは途中
何度もコケながらも
必死になって
父ヨーデルの名を呼びながら捜し回った!!
「父さん!!!
父さん!!!
どこにいるの!!父さん!!!!!」
ヨーデルはラックの絶叫した声に驚き
すぐに事件が起きている事を察した!
「もしかしたら・・」
ヨーデルは嫌な予感がした・・
実は以前にも
ダン親子に問題が起きており
今日は、その安否を
尋ねるつもりでいたのである!
かけつけたヨーデルは
倒れている少女を見叫んだ!!
「葵ちゃん!!!
葵ちゃん!しっかりしろ!!
大丈夫か!!!!」
ヨーデルは少女を抱きかかえ
息をしている事を確認すると
ラックとふたりで抱えて
自分の荷馬車へ運び寝かせた
そして冷たい水に浸したタオルを
少女の口元へ持っていった
「父さん この子大丈夫かな?
まさか・・・死んでないよね!!」
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