第5話

勇者ジュデ


茶髪のランダムシェルショット、顔はイケメンではあるが少し彫が深い、真面目な顔をすればヒュージにも負けないほどモテるはずだが、いつもニコニコしていて、主にいじられ役、身長は181㎝で、筋肉質な体をしている。



私はジュデが少し気になっていが恋愛感情ではない。


1か月前ぐらいに、あまり人が来ない場所で、真剣な顔をしながらヒュージと話をしていたのを見かけたが、私に気が付いて直ぐに離れた。


いつもあの2人はヒュージがからかい、ジュデが地団駄を踏んでいる。


あんなに真剣な話をしてるから、からかうのを止めるように話してるのかと思ったが違うようだ。


ヒュージに聞いてみようとしたが、いつも聖女ちゃんに邪魔をされる。


仕方がないのでジュデにも聞いてみたが、はぐらかされた。


(あの二人、何をあんなに真剣な顔で話をしてたの?)


♦️


おごってもらった次の日の昼休み


ジュデ「リンナちょっといいか?」


リンナ「なにょ?」


ジュデ「なによじゃねよ、昨日の約束覚えてるよな?」


リンナ「え?おごってくれるってやつだよね、ちゃんと奢ってもらったじゃん。」


ジュデ「ちげーよ、女の扱い方を教えてくれる、って方だよ。」


リンナ「あ~覚えてたんだ。」


と、いつもの調子でからかう。


ジュデ「忘れねーよ。」


リンナ「仕方がないでしょ?昨日は誰かさんが放心状態になって戻ってこないんだもの。」


ジュデ「それはすまない、だがあんなのを見せられたらな・・・・」


少し落ち込んだ感じになった。


リンナ「も~、仕方がないわね、今日は私が奢ってあげるから落ち込まないの。」


ジュデ「あり~、扱い方もよろしく。」


リンナ「はいはい、じゃあ放課後ね。」


話が終わったので少し離れて、たまにたまに様子をうかがう。



放課後1年5組の教室


リンナ「おまたせ。」


ジュデ「じゃあ行くか。」


廊下を出て下駄箱に向かう途中で何か争うような声が聞こえた。


私たちはそこに向かうと、あまり人通りが少ない場所で4人の生徒がいた、彼らは1年2組のクラスバッチ学年組賞を付けていた。


一人は魔族のオーク、残り3人はヒューマンだった。


ダーグ「オークのくせに生意気なんだよ!」


取り巻きA「無駄に太ってるから暑苦しいんだよ!」


取り巻きB「ギンは本当、うぜ~!」


ギン「やめてくれよ。」


ダーグ達3人がニヤニヤしながらオークのギンに悪態あくたいや突いたりしていた。


リンナ「あなた達、何してるのょ!!」


少し大きな声をかけオークを庇うように間に入る。


ダーグ「あ~!魔族のリンナか!邪魔すんじゃね!!」


恫喝気味どうかつぎみにダークは言い放つ。


ジュデ「はいはい、そこまで!それ以上はだめだ!」


ジュデが真面目な顔で三人に睨みを利かせる。


ダーグ「チッ!勇者ジュデかよ!」


ジュデ「伯爵の嫡男ちゃくなんが問題起こすと厄介だぞ。」


ダーグ「・・・・きょうが冷めた、行くぞ!」


3人が悪態をつきながら離れていく。


離れていくにつれジュデの顔もいつもの顔に戻った。


ジュデ「ギン君だったか、大丈夫か?」


ギン「大丈夫、ありがとう。」


リンナ「彼らは、いつもあんな感じなの?」


ギン「うん、魔族の僕たちにはキツイ態度を取ってる。」


リンナ「・・・」


私は少し頭にきた。


ジュデ「そっか、すまね~な。」


と言い頭を下げた、私はそれを見て少し驚いた、だって自分がした事でもないのに頭を下げたから。


頭を上げ「できるだけ気を付けて帰ってくれ。」と言い、私を誘いその場を離れた。


下駄箱にて。


リンナ「暗黙のルールもあるのに、なぜあんな態度を取るのかしら?」


ジュデ「・・・・異種族を、よく思わない奴等が居るんだよ・・・ごく一部だがな。」


リンナ「そうなんだ、・・・ところで、あのボンボンと知り合い?」


ジュデ「・・・良くない噂ぐらいだな・・・」


ジュデ「さて、行くぞ、奢ってくれるんだろ?」


私は少し気分が落ち込んだままジュデに奢るため一緒に歩いて行った。



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