敬具が大きい

ジブラルタル冬休み

詩吟バーニング

刹那、私は夢現を泳いでいた。




「廉価な円形無縁社会ではカープは黎明の象徴よ」


友人は声高く言う。そんなにも私は暮れそうな嫡男、いや、嫡女であっただろうか。もちもちと柔らかくやめる敬具のビルマが、果てる前に消えなければ。景色は先ほどフェードによって薄ら笑っていた。はやくあげよう、あげよう、あげてしまおう、そうせねば。




「何してるの」


妹があんぐり口を開けて私を見つめる。ひいふっと音を立てて私の指をすり抜ける料理。


がちゃ、というノイズとともに私は8000円使った。


「また」


妹は目の前でとろけた大金にはあまり気を示さず床に戻った。母も起きてきたようだったが生き霊の様相だった。気遣いか、と舌打ちチッチ。




真新しい夢遊病だった。両親はそういったし唐芋の会社が作っている病院もそういった。それに、私の眺める違法薬物の紛い物はみな一概に「distraction」に執着して終着するものばかりだった。だからだろうか、私の惑血は笑顔を作らないのだ。作れないのだ。金属音は嫌いな人がいる、それもわからなくなってしまうくらいに血に乗っ取られるのだ。飽くなきマインドコントロールの成果は一瞬にして現れ、感動の茶菓子も口に入れる前に崩れて風になってPM2.5とさして変わらなくなった。




「早いとこ治さなくては」


先に生まれたひとは、年長をやる気で包んでぎゅーぎゅーしつこく触らせる。あんまりにややっこしくてまどろっこしくてぐにゃぐにゃの発酵臓器の針はぐちんと限界を示す。


「どうしたらいいんです」


「できるだけ深く」


深かったって、私は耳抜きの方法を知らない。「知らないように」出来てしまったのだ。無知を神が定めたのだ。


「眠ることですね」


私だって、ティピカルなHomo sapiensのように目を閉じれば行き先はタルトであって欲しい。ただただ運命は残酷に脳の休暇を脳の仕事および全身に関しても最大の修行にしてくる。どうせブラック企業さ、誰か提訴してくれ。私は涙を拭かなかった。


果てることを知らない私のレーズンパン的病気は、知らんぷりされたことを恨んででもいるのか、わたしをたべちゃいました。


「おお。病なんて」


と、ゲリマンダーの街中で笑うかもしれない。でも、フラダンスしか考えていない人たちからしたらこんなのは対岸の火事というやつで、岩塩の由来を天日塩が嘲るのとおなじなのだ。私の頸動脈のつくりは要素こそ違えど形状は「会場のみんな」と恐らく一緒だろうと思う。


しかし、私は頭のナカミが違うのだ。みんなはクリームソーダだけど、私は一人味噌汁に満ちたまま首の座らないようにかたぶくだろう。「お前は異文化の異教徒」と囃し立てられ魔女狩りに合うだろうがしったこっちゃない。すべては神が悪いのだ。わたしだけ重力が逆さになっても構わないから天に唾吐けるようになってほしい。


気付いたらほうれん草で食べに来ている。「魔球のなんだよ」とか言って、滑舌だ。ア、イケナイ。これは夢ダ。そうすると、もう一つ、なんだか見覚えのある顔のビュッフェが目の前に現れる。選択肢など選べるわけもなく、やがてルーレットは本人で止まった。今、夢の中だと自覚できているだけでなく夢遊病をなんとか抑え切れている。これは、いけるかもしれない。


しかし、どこかのo (___*) の国を代表したように、バグった豹の奈良県で、決心を庇うタッピングペーストもあり得るのである。それは一世一代の蹴りなのだ。


「なあ姉御」


意訳はこうである。私はその女になれていない、いや私から見れば一様に女になれない物体がいう。


「私の意思は今もセロリの茎と大差ない」


意訳はこうである。私のアルファベットは刺さる、と主張してくるソビエト社会主義共和国連邦を懐かしむ、遙かな電子の集いを眼で撫でながら返事をしたのだった。ヒントもなしに'Okkirizolio"とだけ呟く耳長の鳥はむさ苦しく決められた草を食む。その光景と比較して、「アレより増えている」とか「いや、アオサもない」とか「アレよりチカラは少ない」とか会議する海馬を殴りたくなる。つい殴ると、頭と首の骨がデカデカに辛くなった。


わたしの破壊は初めてちょっとアリになった。


そして、医者の言うことは信用できないこともわかった。


夢遊病なんかじゃなく、多重人格、のほうが合ってる。


私は米津玄師を聴いていたはずなのに、気づいたら長谷川白紙を聴いていた。


真夏の夢の中で手の甲に覚えがあるとは思えなかったけど、毒に当たったのか療法としては適切だった。


羨ましくない羨みを買ってまで私はこのPSYCHEDELICOな便覧黒板の余りに手を染めることはない。


ところで手を染めるって、手に染料を塗りたくるっていう意味?


塗りたくった染料はParisで見つけた呼吸の瑪瑙。


ありがとうの錯乱にバレエを習って炒飯流す!「がいがいがいのっっっと」という栽培をしのぶ家を!ふとした甘美な雰囲気が来るシーン。蕊の中、梅のなか、シャローのナス。


ガァ気味の晴天、バラバラ真夏エチケットに変われ。どうにでもなぁれ。崩れ去りなサァイ。所詮あなたは気付きやしないや、私は超高級車に乗って暮らす自分が好きだあなたのような民家の偏平喜んで板噛んで騒ぐ連中はキライ。わたしはいまをいきてやるからおまえはさっさとそっちをこわせよからだをこっちのものであっちからそっちにこっちへこっちをそっちにあっちっち々7$797




あ。


長谷川療法が終わりを告げた瞬間だった。


どくにどくされそうもくほうどう。


よりPSYCHEDELICOなDREAMがCOMEってしまった。


ともあれ、私は次世代の医療を探さなければならなかった。そうしないと私もいずれああなるのだ。


私は漸く確信した。


私の病名は、(他の人が聞いているけど)夢遊病じゃない。


多重人格なんだろう。


私におおよそ以上のハンダゴテを頂戴した母は肉まんだが、鎌倉を代わりに憎むとしよう。


場所はまた肉詰めまんじゅう。


触点の阿呆まで、金閣寺でも欹てよう、きぃんかーくぅぢぃーーーーっ、寝言は寝て言え、ネゴと跳ねて家。




…再びな起床に木天蓼がおちょくる。惨憺な光景に、ぶれすていきんぐ、やりました。


窓は割れ、そこに精一杯背伸びして広がる紺色銀河。恒星の一つ一つが無駄に大きくて、空を覆って滅ぼしては徐行してゆくような、果てて穿つ虚構を感じてしまう。


だけど、私の中の私の中で私の中の私の中の私で私の中から私を渡したがっていることを、疼く腰回りが教えてくれる。


釈実、バババ抜き。極端だ、うずらのたまごす。


おそらく、風靡。


多分、風邪。


風邪山羊。


竇…、












宇宙が、割れて、中身、が、飛び出て、染み込んで、飛び出て、暮らして、燃やして、晒して、聞かせて、戻して、まやかし、肥やし、冷やし、増やし、椰子、死




















んで


































たまるかボケェ〜




















間も無くキューが出た。私の出番のようだ。外の曇天は、私の脳味噌の中身を浮かべた色をしていた。


「もう少しで、あなた死んでましたよ」


お医者さんが頭の上のドーナツで反射光を生んだ。




でも、私にはわかる、もう私は死んだ。


だから、これからは、わたしがわたし。




(おしまい)

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