エンドロールは流さない
テイ
1
「そういえば
彼氏? 瑠香に? なんで?
「……え、マジ?」
俺はベッドを背にして座っていたので、振り返りながらそう言う。瑠香は足をぱたぱたさせながらスマホを見ていた。肩より少し長く伸ばされた髪の毛が邪魔して、その表情は伺えない。
「うん。マジだよ」
「……そうか。いや、でもおかしくないか。お前に彼氏ができたってのは、俺たちが遊ばなくなる理由にはならないだろ」
なるべく冷静に言ったつもりだったけど、焦りが伝わってしまったかもしれない。ベッドのシーツを握りしめ、俺は縋るように言った。どうかさっきの言葉を取り消してほしいと願いながら。
「なるよ。だって私は女で、正ちゃんは男の子なんだから」
俺に目線さえ向けずに瑠香は言う。
突き放すみたいな言い方が思いの外ショックで、俺はそれ以上何も言えなかった。
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