第56話 思い  ~咲奈~

朝宮咲奈


学園祭が終わって早3日、私たちはこの3日間一切話すことなく同居生活の日々を送っていた。

今思うと後悔しか残っていない。あの時私は我慢をしていたらこんな事態にはならなかった。第一雷斗君は何にも悪くない。口を出すのも当然のこと、非があるのは私だ。私が勝手に変な妄想して、勝手にいらだって・・・それがこのありさま。


雷斗君怒ってたな・・・あんなに怒っているところ初めて見た。

私は何がしたいのかな・・・?


そんなことを思いながら顔を洗いに洗面所に向かった。


「情けない顔・・・・・・」



リビングに行くと雷斗君はいなかった。私はテレビをつけ朝ごはんの準備を始めた。いくら今この様なギクジャクし状況とはいえご飯を作るのは私の責務的なものであるため毎日作っている。と、言っても雷斗君は朝ごはんしか食べていない。昼と夜は買って食べるようになってしまった。そしていつもは朝私が起こすことになっているのに自分で起きるようになった。


「雷斗君起きてこないな・・・起こしに行かないと」


私が起こしに行こうとしたときにテレビから土曜日という言葉が聞こえてきた。


「休みだったのか・・・」


学園祭の日からそれ以降、頭の回路が乱れていたから曜日感覚がなくなっていた。


「土曜日ってことは打ち上げの日か・・・」


私たちD組は見事に総売上額一位という結果になり無事に学校から資金をもらった。その資金で今日、打ち上げをする予定になっていた。


「雷斗君いくのかな・・・」


私はあまり行く気にはなれなかった。参加することによって罪悪感が生まれてしまうような気がした。あの夜の出来事があったのにのうのうと打ち上げになんて参加できない。いや参加資格なんてないのかもしれない。


すると携帯が震えだした。そこには“NANASE“と表示されていた。

私は電話に出た。


「つながった!おはようございます咲奈さん!やはり早起きしていましたか!流石です!」


「おはよう。急にどうしたの??」


「今から朝ごはん食べに行きませんか?」






「朝の定食はおいしいですね~~~」


「私、朝に外で食べるの初めてだよ」


「そうなんですか!?私しょっちゅう来ますよ!!作るのめんどくさくないですか?」


「大変だけどめんどくさいとは思ったことはないかな。作るの楽しいからさ」


「それならいいですね。私もそのくらい自分の料理に自信があったらな~~(笑)」


そんな会話をしていると七瀬ちゃんも目の色が変わった。


「咲奈さん、何か困っていることはありませんか?」


「え?」


「学園祭終わったあたりから少しくらいように見えたので」


「何もない・・・・・・ってことはないかな・・・」


「良ければ話してくれませんか?話すと少しは気が楽になりますから」


私は間を少し開けて話し始めた。


                    つづく


あとがき

最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!

最近だんだんと暖かくなってきましたよね。寒さが落ち着いてくるともうすぐ春だなって感じますよね。桜見に行きたいですね!!

令和3年度も頑張りますよ!!

では次話もお楽しみに!!!

                     立花レイ





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