第14話 夜道の散歩

「葵ちゃん!さぁ我が家(お店)

に帰りましょう!」

葵はサラと手を繋ぎ

今夜起きた出来事を語り合いながら 夜道を歩いた


今夜は少し風がある 

夏も終わりに近づき

もうすぐ春が 来ようとしている


葵は春が好きだ!

葵が生まれたリムラ村は

春の息吹(自然)がとても美しい!

若葉の上を歩く時

足の裏から伝わる自然の

クッションがたまらなく好きなのだ!

自然は自分を受け入れてくれている

優しを感じることができた


そして枯れ枝を手にとり

木と木との間に差し込み

行先を確認しながら一歩一歩前へ進む!

すると目に入る景色が

木陰に差しこむ日光によって

色鮮やかな色彩を見せてくれる


「とっても綺麗!!」

葵はリムラ村が好きだった

そしてこのガデム村も隣村であるが

自然が豊かで美しい町で

葵はすぐに好きになった


葵は村に来た時から気付いていたが

少し地面の色が違い

養分が多い肥えた土地のように思えた

その為その地から生出る木々や草花は

少し色合いが違うようで とても華やかである!

リムラ村は母の影響

このガデム村はルスタとサラが住んでいる為

その守護者の影響が

自然界にも出るというのだがら

とても不思議である!


それなら私がいつかリムラ村に戻り

母が村を愛したように

わたしも心を込めて

廃墟化した村落に仕えていきたい!

と葵は思うのであった


しかし葵はまだ13歳であり

これから学校に通い

守護者になる為に妖精族の

能力を身につけていかなければならない!

葵にはとにかくこれから

やるべき事が数多くあるのだ!


■□■◆◇


「葵ちゃん!

待って~ 僕が送っていくよ!」


ラックがあとから追いかけてきた

「女の人の夜道が危ないって!

父さんから聞いた事があるからさ!」


「偉いわね ラック」

でも私がいる事忘れてない?(笑)


「まぁいいわ!

送ってもらいましょう」

サラは葵の手を放すと

ラックが葵をエスコート

できるように場所を譲ってくれた


「優しいわねラックは!

ねっ葵ちゃん」


「はっハイ!」

葵は少し恥ずかしそうに頷いた


『今晩葵ちゃん来てくれて

とても嬉しかったけど・・・

葵ちゃん大人たちと話をして

入る隙間がなかった

オレ葵ちゃんと全然話が

できなくて少し寂しかったんだ!』

なんて・・・言える訳がない


「ラックのお母さんの

手料理とっても美味しかったね!

今日はありがとうね ラック!」


「ラックにはあんなに素敵な

ご両親がおられて本当に幸せね!

わたしもいつか・・・

葵はそう言いかけて・・・

少し考えこんで無口になった」


「お父さんの事考えてるんだろうな・・・」

ラックはそれ以上話しかけられず

サラの店まで見送った


(葵ちゃんには

これから幸せになって欲しい!

僕は葵ちゃんの側にいて 

僕ができることをするんだ!!」

ラックは男らしく決意するのであった


「ラック 

おやすみなさい」


「おやすみ 葵ちゃん」


ふたりは別れた

(また明日ね)

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