青い花と真っ赤に咲き誇るサザンカ

テン

第1話

 私こと木嶋由衣は、総武東高校の文化祭にいる。

 県内でも有数な進学校であり、かなりの人気があり、総武線の近くに建てられていることもあって、利便性も高い。

 中に入って、クラスの出し物を友達と見て回ったが、にぎやかで、有意義な時間を過ごせた。

 どこのクラスも汚いところが見えないくらい整えられていて、学力が高い人が多いと細かなところまで気を使っていることがわかる。

 今一緒に回っている友達と、あまり評判が良くない学校の文化祭に行ったが細かいところは綺麗にできていない雑な準備しかされていないことがわかっりがっかりした思い出がある。

 ほとんどの出し物を見た私たちは腕時計を確認して午後4時に差し掛かろうとしていることに気が付いて、帰ろうかという話になった。

 もうすべての出し物を見尽くしている、私たちはすぐに1階にあるお客様用の下駄箱に向かっている途中、この学校の制服を身に着けた一人の髪を立てた男性とよそ見をしていた私はぶつかってしまった。

 尻もちをついてしまった私は急いで立ち上がると、こっちを真っすぐ見て謝ってきた。

 どこかで見覚えがあると思っていると、あちらから「お前木嶋だろ、中学一緒だった陽介だよ」と昔自分が酷い振り方して、生徒たちの笑いものになったよく隣に座ることが多かった同級生だった。

 クラスの人たち前で私が井川に告白された際に「まったくそんな目で見れない」と酷いことを言ってしまったために卒業するまでずっと、心が折れるぐらいいじめられていた。

 あの頃は止めようなんてしないで、気にしていなかったが時間が経って申し訳ないことをしたことに後から後悔をした。

 なんてひどいことをしたのだろうか、そして、井川はどうして、どんなにいじめられても学校に行くことを辞めなかったのだろうか。

 井川のことで、耽っていると、「悪い急いでいるから、またな」と走り去ってしまった。

 それから友達と別れて、帰り道をずっと、自分の行いを悔いながら、あんな状態で学校に通っていられたのだろう、と無限ループのように頭の中で考えていると、突然手を掴まれた。

「これからさ、遊びに行くんだけど一緒に行かね」

 ナンパをされていると分かった私は「離してください、私そういうのには興味がないので」と相手の手を振り払ってもうじきつくであろう自分の家に向かって歩こうとするが、それが逆鱗に触れてしまったのか、握る力が強くなり、手がじんじんと痛んだ。

「拒否権なんてないから、だちも待たせてるから行こうぜ」

「いやです、もう受験ですし帰らせてください」

 受験シーズンで、来年に受験を控えていることを伝えても無意味だとして口にする。

 しかし、相手の引っ張る力が強くて、抵抗できない。

 どうしようかと思っているときに、「警察呼びますよ」とナンパをしてきた人の後ろに、文化祭で再開した井川が携帯を耳元に当てながら、脅す。

「ちっつまんねーな」

 ナンパをしようとしていた人はさすがに警察に捕まりたくなかったのか、私を開放して、どこかに歩いて行った。

「助けてくれてありがとう」

 私は感謝の言葉を伝えると、ニコッと笑みを浮かべながら「どういたしまして、それにしても、きれいなんだから注意しないとね」と返してくれたがストレートな誉め言葉を言われた私はどう返せばいいのか困ってしまった。

「とりあえず、一緒に帰るか」

 たまたま帰り道が一緒だったらしく帰り道を供にすることになった。

 中学生の井川は相手に合わせるようにして話していて、それがあまりにもわかりやすいものだったから、あまり話すのが好きではなかったけど、今となりに歩いている同一人物はその面影がないくらいおしゃべりで、物知りだった。

 過去とは違い自分で話を広げて行って、ずっとあっちのペースかなと思ったら私が口にする話題にも紳士に対応して、気持ちがよかった。

 でも性格や根元にあるものは変わってないと感じられた。

 それから連絡先やラインを交換してよく放課後遊ぶようになった。

 最初はどう誘えばいいのかわからなかったが、あちらから、今日暇だから遊びうよとメールが来て、フレンドリーな一面を垣間見てこちらも気を使わずに、返信ができた。

 どの友達と一緒にいるより、井川との電話が楽しくて、仕方がなかった。

 それが恋だとも知らずに、再開してから3カ月くらい経ったある日、井川から友達を2人紹介された。

 一人は花沢冬二さんと言って、サッカーで有名であることはクラスの女性たちが噂していたため小耳にはさんでいたが、問題なのがもう一人の高見美香さんである。

 まず第一印象でモデルみたいだの一言で尽きるくらい顔が綺麗に整っていて、私は女として負けたような感覚に陥るほどだった。

 だか、そんなことよりも、井川の彼女を見る目が恋をしているのだと理解することができるほど熱を持っていた。

 確実に恋をしているのである。

 私の心は嵐のように荒れて季節違いの台風が来ているようで、顔合わせをしてからの帰り道はせっかく井川と帰っているのに、何も、口にすることができず、その日家に帰って、枕に顔を思いっきり顔を押し当てて、初めてこれが恋なのだと知った。

 苦しくて、悲しくて、悔しくて胸がはちきれそうになるほど様々な負の感情が飛び交い、気が付いたら次の日の朝だった。

 恋敵を知って2か月、もう志望校を受けるまであまり時間が無くなってきたときに私は思い切って井川一人を放課後に呼びファミレスで食事して帰りにずっと疑問だったことを聞いてみた。

「私に何でふられると思って告白したの?」

「それでも俺は、木嶋のことが好きだって伝えたかったのもそうだし、自分の中に咲いている青い花を何もしないまま、枯らしたくなかったんだ」

「でも、それで学校生活が滅茶苦茶になってよくないでしょ」

「これ以上、自分自身に嘘をつきたくなかったから、後悔なんてしてないし、どんな時だって俺らしくいたいから」

 最低な質問を投げかけたのに、井川はニコニコしながら、すべて返答してくれた。

 だけど私の心の中にある、たくさん伝えたいものや過去に何故酷い振られ方をしたのに、クラスのみんなに普通の人だったら耐えられない、いじめを受けたのに諦めず、後悔しているようなそぶりを見せずに、学校に毎日卒業するまで通い続けていたのか理解でき、このまま自分の気持ちを伝えないなんて、情けないと思えた。

 どんなに、高見さんのことが好きであろうとも、井川に私色の花を咲かせて見せると決心して、何もモヤモヤがない状態で受験に挑むことができた。

 何となく井川が卒業式の後に告白すると女の感でわかったので、その前日に告白してやろうと、放課後に花屋の前で待ち合わせして、「私井川のことが好きです!」と大声で告白した。

 この花屋は、初めて遊びに行くときに井川と待ち合わせした場所で、いつかは一緒に花を買えたらいいなと思っていた。

 少し気まずそうにしながら「ごめん、その気持ちには答えられないかな」と素直に答えてくれた後にやっぱり、高見さんに明日卒業式が終わった後に告白するのだと教えてくれた。

 私の花が悲鳴を上げているけど、それでもまだ枯れるときじゃないと私は「明日、陽介が振られたら、この場所に1時ごろに来て」と伝えた。

 かなり驚きながら陽介は大きく笑みを作って「わかった」と答えてくれた。

「でも、明日の告白は絶対に成功させるから来ないかもよ」

「陽介って意地悪だね」

 いたずらをする3歳児みたいな、表情をする陽介に私は、笑ってしまった。 

 いくらフレンドリーだからと言ってここまで合わせてくるとは思わなかったのだ。

 翌日になって卒業式が終り、早く花屋に行きたいと思っていたけど、クラスの付き合いで写真撮影や、家族とのやり取りで、待ち合わせをした場所に着いたのが2時くらいになってしまった。

 そこには誰もいなくて、切なくなって、花が枯れていくような気がした。

「成功しちゃったのかな、私ダメだったんだね」

 こんなに空が晴れているのに涙がドバドバと流れて、花びらが散っていく。

 ああ、陽介もこんな感覚だったんだね。

 走馬灯のようにひどいことをしてしまった思い出、受験シーズンなのに一緒に夏、海に行って楽しそうに泳ぐ姿、たくさん映像のように流れた後、もう振り返ることがなくなり、家に帰ろうとしていると、花屋の中から真っ赤で綺麗な花の束を持った、陽介が出てきて、「振られちゃったよ」と何も後悔がない、今地球を照らしている太陽のように笑顔を浮かべながら手に持っている赤色の花束を渡してきた。

「由衣に似合う花を探してこの花を見つけたんだ・・・・・・・・一途な君にぴったりだね」

 どうやら、ハッピーエンドが待っていたみたいだ。

 きっと私の中に咲いている花がサザンカだと陽介には伝わったんだね。


 

 

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青い花と真っ赤に咲き誇るサザンカ テン @tentenz

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