第3話 彼女じゃなくて、良かった
「おい、一輝 授業終わったら飯一緒に行こうぜ?」
「ア、アア モチロンイクゾ!」
集中しろ集中...深い意味はない深い意味はない
ここまで焦っているのは今日の朝あったことが理由だ
〜今朝〜
[明日の夕方、暇? 話があるんだけど、カフェに来てくれないかな?]
桜から突然連絡が来た
「な、何かありましたか?」
「いや、な、なんでもないぞ上野」
話って何...めっちゃ気になるし、普通に嬉しいやん!!
「なんかお前講義中ずっと変だったよな〜」
「そ、そんなことねーから!」
いや、バリバリある
昨日の桜のメッセージが気になりすぎてやばいだろ!
まさか...復縁? って、そんなはずないか
「一輝、どうかした?」
考えこんで下を向きながら歩いてた俺に誰かが話しかけてくる
いや、誰かなんて一瞬で判別していた
「さ、さ、桜じゃん...久しぶり...」
「この前会ったじゃーん」
昨日のこともあり動揺を隠しきれない
そしてしたから覗き込むようにこちらを見る上目使いは完全に天使のそれだ
「き、昨日のことなんだけど...」
彼女は俺がこう言った瞬間俺の耳元まできて「今日の5時、駅前集合ね」と言って友達とどこかへ行ってしまう
「何、フラれたんじゃなかったのかよ」
「あ、あはは まあ色々あってだな〜」
この時の俺はたぶんニヤけていた
「桜ちゃん新しい彼氏できたって一昨日の飲み会で言ってたから、ワンチャンは多分ないぞ?」
「え...」
○○○
「ちょっと私お手洗い行ってくるね」
「わ、わかった」
元カノとの久しぶりのカフェ...
二人でカフェに入った後、少しの静寂があり、今がある感じだ
「きっとうまく行くと思いますよ!」
背後の上野の声にビクッとする
「な、なんで上野が!?」
「と、取り憑いたら位置情報がわかるって言ったじゃないですか
気になったので来ました」
ちゃっかり隣の席に座る上野
「私は人に見えていないので大丈夫ですよ」
「そ、そうか
ってか服ずっとその白いのだよな」
「変えられないみたいです、まあお気に入りなので良いですが」
うっわメイド服とか着せたかった...
って何してんだ俺
「なあ、これ復縁話だと思うか?」
「そうだよ、復縁話 もっかい付き合お?」
「そ、そうだよね 違うよね...って え!?」
次いで桜の声が背後から聞こえてくる...
って復縁!?
「ちなみに、この人は誰?」
この人と言って桜が指を刺したのは完全に上野だった
「み、見えてる!??」
驚きすぎて大きな声で反応してしまう
「...」
上野は完全にあわあわしている
顔も真っ赤で、無言になってしまった
なんで見えてるから謎だけど、今俺が説明を...って幽霊なんて言えるか!
「えっとだな...」
「この人は友達の上野かなさん
さっきここのカフェで見つけて少し話してて...」
上野が無言の笑顔で会釈をする
上野についての長い説明は逆に混乱を生むし、なんといっても桜そういうの信じるタイプじゃないし...
「彼女じゃなくて、良かった」
ちょ、なんでだ? 何が起きてる?
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