ワンピース 海軍特別任務

火田案山子

第1話 血の夜

「ここがドーハ島ですか……」


その島に上陸したのは5人の海兵を中心とした海軍約50人だった。


海軍本部大佐コビー。


同大佐たしぎ。


同少佐ヘルメッポ。


同一等兵フルボディ。


同一等兵ジャンゴ。


彼らは大将・緑牛からある命令を受けてこの新世界のど真ん中にポツンとある小さな島にやってきた。


その任務とは、この島にいるというある男と接触する事。


まずは各自散開して島の住民たちに聞き込みする事から始めた。


だがその夜、定時連絡の時間になっても電伝虫から海兵たちの連絡がない。


奇妙に思ったコビーの耳に銃声と海兵たちの悲鳴が聞こえた。


素早く向かってみると、そこにいたのは変わり果てた海兵たちと島民たちの姿だった。


皆正気を失った様に唸りながら闇の中を徘徊していた。


人が人に噛みついている。


赤い血がそこかしこに飛び散っている。


元王下七武海のゲッコー・モリアはその能力でゾンビを作れたが、これはゾンビとは似て非なる物。


吸血鬼。


「おいおい!一体どうなってんだこりゃあ!」


合流したヘルメッポに吸血鬼化した海兵が襲いかかった。


それを素早く体術でいなすヘルメッポだったが、気付けば2人は周囲を吸血鬼たちに囲まれていた。


「たしぎさんたちは?」


「分からねえ!電伝虫もノイズだらけで使えねえ!」


「とにかくここを突破しましょう。ソル!」


六式の1つを使ってコビーは素早く吸血鬼たちの間を抜けた。


「あ!おいコラ!お前だけずるいぞ!」


六式が使えないヘルメッポはそう言いながらもククリ刀で吸血鬼たちに峰打ちしながら素早く吸血鬼の輪から出て来た。


「ひとまず船に戻りましょう!」


2人は港に駆け出した。


吸血鬼たちはゾンビ同様足が遅いのか追ってはこなかった。


しかし軍艦で彼らを待っていた者は……


「待ってたよお、海軍」


フードをかぶった若い男だった。


「あなたは…」


「俺の名はカンドール。賞金稼ぎさ」


「聞いた事あるぜ。串刺しのカンドール。賞金首を串刺しにして海軍に突き出して賞金を貰ってる気味の悪い賞金稼ぎがいるってな」とヘルメッポ。


「デッドオアアライブってのはそういう意味だろ?」


「賞金稼ぎが一体何の様だ?」


「足止めだよ。あんたたちの。の邪魔をしない様に」


「……やはり、彼はこの島にいるんですね?」


「……あの人はやがてこの世界を大きく変えるお方だ。邪魔をするなら例え海軍だろうと容赦はしない」


そう言うとカンドールの体が変化した。


それはまるでさっきの吸血鬼たちの様な。


「能力者……さっきの人達もあなたが……」


「動物系幻獣種。オニオニの実。モデル:吸血鬼ヴァンパイア……さて、始めようか」


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