モノクローム
一等星
モノローグ
天色の空に月白の雲、蒼色の大地―――
人は目に映る景色を見て美しいと感じることができる。
視界の端から端までに広がるその景色には数えきれないほどたくさんの色が溢れている。光の強さや角度によってさまざまな表情を魅せるその景色は人の心を動かし透明の雨を降らすこともできるという。
喜びや悲しみ、平和や危険さえも色で表現できる。
色で溢れる世界は人の心を豊かにする。
この世界は人にさまざまなものを与える。
この世界は僕に―――何も与えない。
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