【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう ~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
111話 ラーグの街への道中:リトルベア討伐依頼再び
第5章 ラーグの街へ帰還、モニカ、ニム
111話 ラーグの街への道中:リトルベア討伐依頼再び
ゾルフ砦を後にし、ラーグの街へ向けて出発する。
今回も、隊商の護衛依頼を受けている。
今回の隊商は、やや小規模な隊商だ。
護衛の冒険者パーティは、全てDランクパーティ。
個人のランクでもCランクは、俺ともう1人だけとなっている。
そのもう1人のCランクの冒険者が取り仕切ってくれているので、気は楽だ。
とはいえ、俺もCランク冒険者としての活躍は期待されているようだ。
Cランクといえば、こうした護衛依頼の主力となりうる実力者とみなされる。
心なしか、周囲の目線もDランクのときとは異なっているような気がする。
前回より、俺がCランクに昇格している他、ミティはDランクに昇格している。
さらに加えて、Dランクのアイリスがパーティメンバーに加入している。
2人とも、戦闘能力だけならCランクでもおかしくない実力を持つ。
そんじょそこらの魔物に引けを取ることはない。
たまに出る魔物を蹴散らしつつ、ラーグの街へ向けて進んでいく。
●●●
数日の旅路の末、村にたどり着いた。
以前、ハルトマンたちとリトルベアやクイックマリモを討伐した村だ。
村長が出迎えてくれる。
村長とこちらの隊商の代表がいろいろと話し始める。
補給や商品の売買を行っているようだ。
その間、俺たちは特にやることもないので適当に休息している。
しばらくすると、村長と隊商のリーダーがこちらにやってきた。
「タカシ殿。少しいいかな? こちらの村長が君たちに依頼したいことがあるそうだ」
隊商のリーダーがそう言う。
「はい。なんでしょうか」
「リトルベアを間引きしてほしい。以前も別の方に依頼して、数は減ってきておるのじゃが。減らすにこしたことはないのでな」
俺やミティがラーグの街からゾルフ砦に向かうときにも、この村でリトルベアの討伐を行った。
数は減ったが、まだいるということか。
「そうですね……。ミティとアイリスはどう思う?」
「やりましょう!」
ミティは強くで前向きだ。
「うーん。リトルベアか。ボクたち3人でも討伐できないことはないと思うけど。ちょっと不安だね」
アイリスがそう言う。
確かに、アイリスの言う通りだ。
俺たち3人でも討伐できないことはないだろう。
俺が火魔法で先制する。
ミティが投石で追撃する。
リトルベアが近寄ってきたら、俺の剣、ミティのハンマー、アイリスの格闘で囲んで戦う。
順調にいけばなんの問題もない。
懸念点があるとすれば、2点だ。
1つ目の懸念点は、接近戦において全員がアタッカーであること。
耐久力に優れたタンク型のメンバーがいない。
リトルベアと乱戦になった場合、やや安定性に欠けるかもしれない。
マリアはタンク職の素質を持っていた。
彼女の耐久力関連のスキルはかなり豪勢だ。
確か、”痛覚軽減レベル2””HP回復速度強化レベル5””自己治癒力強化レベル3”だ。
しかも、基礎ステータスのHPももともとかなり高めである。
彼女を連れてこなかったのは少しもったいなかったか。
しかし、いくら耐久力関連のスキルがかなり豪勢だとはいえ、10歳にもなっていない女の子を前線にタンクとして配置するのもな。
今後、タンク型のメンバーを探していく必要がある。
2つ目の懸念点は、追撃に適した攻撃手段を持つメンバーがいないことだ。
リトルベアが劣勢を悟り逃亡体勢に入ったときに、適切に追撃できずに逃亡を許してしまう可能性がある。
俺の火魔法は、森の中では自由に使えない。
こちらに気づいていない相手に不意打ちする場合は問題ない。
また、こちらに一直線に向かってくる相手を迎え撃つ場合も問題ない。
一方で、森の中をジグザグに逃げていく相手を追撃するような場合には、適していない。
うっかり木を燃やしてしまうと、森林火災になる恐れがあるからな。
ミティの投石も、俺の火魔法とある程度は同じイメージだ。
こちらに気づいていない相手に不意打ちする場合は問題ない。
また、こちらに一直線に向かってくる相手を迎え撃つ場合も問題ない。
一方で、森の中をジグザグに逃げていく相手を追撃するような場合には、適していない。
彼女はまだあまり細かなコントロールはできない。
石を木々の間に通して標的へ当てることは厳しい。
アイリスの格闘は、もちろん遠距離攻撃はできない。
彼女のスピードなら、逃げるリトルベアに追いついて格闘で追い打ちすることは可能。
彼女よりは少し遅れるが、俺もいっしょに行って戦ってもいい。
しかしその場合、リトルベアが逃亡を諦めて反転攻勢に出たときに、俺とアイリスの2人だけでリトルベアと戦う時間ができてしまう。
これはリスクだ。
今後、逃亡する敵を的確に追撃できるようなメンバーを探していく必要がある。
次善策は、俺やアイリスの移動スピードについて来れるような近接職メンバーの加入だ。
「確かに、アイリスの言う通りだね。俺たちだけでは少し不安だな……」
「それでしたら、他のパーティと合同でされてはどうでしょうか。ある程度の人数を村に残してもらえれば、私は構いませんよ」
隊商のリーダーがそう言う。
村に滞在している間やリトルベアの討伐作戦中も、厳密には護衛任務の最中だ。
例えば、多数の護衛の冒険者がリトルベアの討伐に向かってしまい、護衛が手薄になったタイミングで隊商が魔物や盗賊に襲われると、大きな損害が出てしまう。
そのため、護衛依頼中の冒険者に別の新たな依頼が持ちかけられた場合は、新たな依頼主や冒険者だけで判断するのではなく、もともとの護衛依頼主の許可が必要となる。
今回の場合、もともとの依頼主である隊商のリーダーの許可が出ているので、俺たちがリトルベアの討伐依頼を引き受けるのは問題ないし、他のパーティを誘うのも問題ないというわけだ。
「そうですね。他のパーティを誘ってみます」
俺はそう返答をする。
ミティとアイリスもそれで問題ないようだ。
どのパーティに声をかけようかな。
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