ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました。

アールケイ

プロローグ 終わりの始まり

「えっと、これで聞こえてるのかな……?」


 私は、前屈みになって、それを弄る。


「お~い、聞こえてる?て、いっても私にはわからないんだった。それじゃ、聞こえてると信じて言うね……?」


「たぶんだけど、これを見てる頃は、いろんな意味で終わった頃だと思う」


「でも、諦めようとしてるなら、諦めないで。どうなるのかは、わからない。でも、最後まで頑張らなきゃ絶対ダメ」


「何やってんの……! こっちはもうもたないわよ!」


「あっ、うん!もう少しだけお願い!それじゃ、頑張ってね!」


 私は最後に、微笑みながらそう言った。

 それが、今の私のできる最大のことだから。

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