第2話 ボール投げ 最新版

 うちのコギは、ボール遊びが大好きです。

 自分からボールを咥えて私の所に持って来て、遊びをねだります。


 ところが。

 別のエッセイで書きましたが……。

 私は、どうにもボール投げが下手くそで……。


 理想としては。


 まず初めに、コギを私の側に待機させます。

 次に、「取ってこい」と私がボールを放ります。

 走るコギ。

 空中キャッチをしたり、バウンドしたボールに、がぶりと噛みつき、嬉しそうに駆け戻る。

 私の足下でボールを離し、コーギースマイルで短い尾を振り、「もう一回」と催促。


 これです。これが理想なのですが……。


 たいがい、「とってこーい」と私が投げたボールは、走るコギの背中に直撃します。

 迷わず、だがーん、と当たり「ががががっ!」と牙を剥いて怒られます。


 コギのダッシュが早すぎるのか、私の投球がヘロヘロなのか。

 かなりの頻度で、コギの背中にボールをぶつける。


 最早、「とってこい」なのか、「コギにボールをぶつける遊び」なのか。


 私もそれなりにボール投げを練習してみたのですが、進展はなく。


 現在。


 まず、コギが私と距離を保って待機します。

 このとき、私とコギは、向かい合っています。


 次に、私がコギに向かってボールを投げます。


 コギ。華麗に空中キャッチ。

 ときどき、手が滑ってワンバンになっても、コギは素早くフォロー。


 ボールを咥えると、私に駆け寄り、ボールを手渡してくれます。そして、また距離を保ってコギが私と向かい合う。


 再び、私がコギにボールを投げる。(以下繰り返し)


 そうです。

 コギが、技術を獲得しました。


 ボール投げ、というより、いまや、キャッチボールとなりました。


 それでも、ときどき、コギの眉間に向かってストレートをぶつける私。


 ぎゃうっ、と両目をつぶって怒られるのですが……。

 ごめんごめん、と謝り、キャッチボールを続ける日々です。

 ……すまん。投球が下手な飼い主で……。

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