第22話 活躍
「それでは!フットサル交流会の第一試合目を始めまーす」
次石の掛け声で伏野の含む男子生徒達はフットサルコートに並び立った。
それぞれが先ほど配られたビブスを着ていた。
そして、そのフットサルコートを囲むネットの側で戌走が茶色のロングヘアを揺らしながら叫んでいた。
「頑張れー!!伏野!!」
「ああ………(バカ恥ずいからやめて欲しんだが)」
伏野は内心そう思いながら仕方がなく戌走に手を振った。
そんな伏野の側に次石が近づいてきた。
「同じチームだねー。伏野くん」
「そうだな。今更聞くが、このフットサルはガチなのか?」
「女の子達の前でカッコいいところを見せたいんだったら本気でもいいんじゃないかな」
「そうか」
と伏野は言うと、フットサルコートの中心に置かれたボールに近づいた。
そして、そこから少しだけ助走を取り。
「オラァアアアア!!」
と伏野は叫び、誰も反応できないくらいのキックオフシュートをゴールの端っこに入れた。
「ヨッ、シャアアアアアアアア!!!」
体をのけ反りながらさらに叫んだ。
そんな伏野の様子にフットサルコートの外にいた戌走はニマニマと笑っており、戌走の隣で見ていた荒井は思わず問いかけてしまった。
「い、戌走さん。すごいね。伏野くんってサッカーやっていた時もそんな感じだったの?」
「うん。伏野ってすごいんだよ。サッカーとかフットサルをするとね!」
と、戌走は楽しそうな表情を浮かべ答えた。
そして、荒井は密かに思った。
(戌走さんがすごいと思っているのって叫び声のこと?それともサッカーが上手いってこと?)
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