オークが上手にやけました〜
「意外とうまくいった!」
おれはオークの解体が意外とうまく出来た事に喜んでいた。
とは言っても全身ではない、わりかし簡単なお腹の部位だけだが、、
ただ解体したオークの肉は見れば見るほど豚肉のバラのブロックだった。
正直、味の心配はしていない。なぜならダイブと喋ってた大衆食堂で他の客がオークを素材にしていた料理を頼んでいたからだ。
俺はオーク肉を持って台所に立った。
そして、まな板の上に置かれたオーク肉に事前に常備されていた塩胡椒をした。
あとはフライパンで炒めるだけ、、
なのだが、、うーむ、どうも味気ないなあ、、
どうしても、もう一品欲しいという気持ちが頭から離れない、、
分かっている。今の状況でそんな事を言ってはいけない、、
とっとと飯を食って深階に行かないといけないと分かっているけど、、
ただ、その時に目の前に飛び込んで、
いたのはリュックからはみ出た、魔法のクワだった。そして俺は思った。
ぎり、もう一品いけるかもしれない、、
■■■■■■
俺は魔法の農具3点セットを持って民家から外に出ていた。
このダンジョン内の低階層の土で野菜が作れるのか、色々、疑問に思うが悩むよりとっと試した方がいいだろう!
俺は初めて使う魔法のクワを振りかぶって、地面に突き刺した。その瞬間、クワはまるでプリンをスプーンで抉るかのように簡単に土をえぐった!
おおっ、これはすごい。しかもこっちは一切の疲れもない!
という事である程度の広さまで土を耕した俺は魔法の袋を手に持った。
ちなみに魔法の袋は今まで食べた物の野菜の種を自由に取り出せる袋だ。あとクワと違い少し使い方をためしていたので、俺は慌てる事なく、すぐ育つの事で有名なもやしの種をを袋からまさぐった。
基本的に水だけで成長するモヤシだが、魔法のクワで耕した畑なら、きっと成長するのではと思ったのだ。
(あとクエリアが普通に言い忘れてる可能性もあるので)
という訳でモヤシの種を撒く。
そしてモヤシに合わせてかなり多めの水をかけた。
そして、しばらくする。
「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、いやっ、出ないやつだなっ、これは、、」
畑から一切の芽は出てくる気配がない。
正直、考えが甘すぎだ。モヤシはすぐ育つから、このクワで耕したら、10倍以上のスピードで野菜を育てられると言っていたので、もしかしたらといけるかと思っていたのだが、、
まあっ、仕方がない!!
今回はオークだけで頂こう。
っという事で、俺はコンロの火を強火にかけた。
オークからとれたラードを引き、オークの肉を焼く。
焦さぬように気をつけて片面は時間をかけて、そして片面はさっと焼いた。
「よしっ!出来上がりっと!」
■■■■■■■■
出来立てのオークオンリーステーキが皿の上に置かれていた。
実際は横にモヤシの炒め物が乗っている筈だったがしかたない。
とはいえ、中々オークのステーキは旨そうだ!自分で言うのもあれだが、わりかし上手く焼けた。
という事で俺はステーキを包丁で綺麗に切り分け口に入れた。
「、、、これは、、旨い、、」
肉から溢れるジューシーな旨味!
オークの脂肪の柔らかさと赤み肉の絶妙な固さのギャップが旨い。とくに赤み肉のさっきまで動いてましたという躍動感が肉の硬さから伝わる!
これはまさに、、豚肉!
という事で俺はオークステーキという名のトンテキを堪能した。
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