4-2

「…で


なんでバーベキュー?」



最近自分が義獣人なんだと自覚せざるを得ない状況が増えてきた


そこでポチ達には内緒で力を制御する特訓をしたいと秋元のおじさんに相談したところ…


何故か施設内にあるキャンプ場でバーベキューをすることになったのだ。


テキパキと準備を始めている秋元のおじさん







……………の部下の人


特別訓練をしようと言った当の本人は日陰で指示を出していた。


特別訓練と聞いて気合を入れて運動着に着替えたのに…



「ふふっ…思っていたのと違っていてびっくりしたかい?


これは君のために準備したものだよ」



まさかとは思うがこれが特別訓練とか言わないだろうな?


不安になりながらちらりと秋元のおじさんの方を見る


すると日陰から出てきて日傘をさすと大きな声でこう宣言をした



「さあこれからリューコちゃんのための特別訓練を始めようじゃないか!」


「えっと…秋元のおじさん?


私の耳が悪いのかな?」



こんなに楽しそうなバーベキューの準備をしておきながら私の特別訓練をするって聞こえたんだけど?


頭がおかしくなったのは私の方か?


どう見たってこれからやることはバーベキュー以外にないと思うのだが...


不安になりながらもおじさんに近づくとにっこり笑顔でこっちを見てくる



「さあリューコちゃん、これから君には重労働をしてもらうよ」


「なっ…!?


重労働って一体何を…」



何が起きるのか全くわからない...というより予想が全くつかないこの状況の中で重労働をさせられるなんて


もしかして義獣人隊ってブラック?














と思ってた私が馬鹿でした



「リューコちゃん!


次はこっちをお願いね~」


「はっはい!」



思った以上にキツイかもしれない


実際は火を吹く練習を目的とした炭に火を付けるだけの仕事



「まずは小さな火を操れるようにしよう


…ということでここにあるすべてのコンロに火をつけてね」



これは確かに特別訓練であり重労働だ


だけどこんなところで心折れてる場合じゃない



「はぁ…はぁ……


全部のコンロに火がついた」



なんとかすべてのコンロに火がついた


ひとまず休憩してなさいとおじさんに言われて近くにあった椅子に座ることにした。


いまおもったのだが、どうして義獣人の力が突然目覚めたのだろうか?


原因不明である



「お疲れ様リューコちゃん


小さい火だったらうまく扱えるようになったね」


「秋元のおじさん…不思議としか言えないです


あんだけ火を吹いておきながら口の中は一切火傷してないし、少しずつ調子が出てきて火の威力が上がっているような気がするんです。」



今回の特別訓練を受けて気づいたのは自分が人間離れしているのだと改めて気付かされる


そしていつの時だったかは忘れたけど、自分は普通じゃないと認めたその瞬間火の威力が突然上がって驚いた。


幸い周りに人がいなかったから怪我した人はいなかったけど、その瞬間だけすごく怖かった。



「…君はどうして突然、義獣人の力が使えるようになったかわかるかい?」


「…それって答えなんですか?」



そういうことになるね


秋元のおじさんはニコニコ笑いながらそう言っていた。

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