3-4


まさか義獣人が複数人集まって爆発テロをするなんて思わなかった…


見た感じ爆発の際に負った傷は再生したらしい


何をすればあんなに再生が早くなるのかね…


ひとまず瓦礫の陰にでも隠れるとしよう



「ククク…今頃人間達は混乱してるだろうな」


「俺たちは義獣人だから怪我してもすぐに治るしな…」



なるほど…あそこに雑魚の義獣人が2人いると


じゃあ早速眠ってもらいますかね


崩れた瓦礫の陰から慎重に顔を出してターゲットを確認すると標準を素早く合わせて引き金を引いた。


突然隣にいた相棒がばたりと倒れたら…



「おいっ!しっかりしろ!」




もう片方は混乱して周りが見えなくなるのだ


騒がれたら他の義獣人が来てしまうからさっさともう1人も処理しよう


また素早く標準を合わせて打てば見事に首筋に刺さりプツンと糸が切れた人形のように派手に倒れた。



「(このフロアはクリア…


次は上だな)」



再度匂いを確認して人数と場所を確認すると私はその場から動き出した。


先程麻酔銃で眠らした二人は一年前に逃げ出した義獣人だった…ということは他にもいる可能性がある



ちくしょう…せっかくリューコと買い物する機会だったのにこれではいつもの仕事と変わらないじゃないか


この仕事もさっさと終わらせてリューコとの買い物を再開させるんだ!



「………そこか」



匂いを辿って見つけたその部屋のドアには鍵がかかっている


明らかにここにいるのがわかるんだよ…


ニヤリと笑って被っていたキャスケットを脱いでその辺に置いた。


1度深呼吸をして構えの体勢をとると私は拳を握り締め勢いよくそれを前に突き出した。


派手にものが壊れる音とそれがぶっ飛んで地面に落ちる音が聞こえて新しい部屋にたどり着けた。



「さてと…こんなに天気がいい日に爆発テロなんてクソくだらない事をしているわるーい義獣人はどーこだ?



あぁ…みーつけた」



自分でも引いてしまうその悪人面は彼らにとって恐ろしいものだったらしい


その恐怖の色に染まった顔はやりがいがある


さてと…さっさとこいつらやっちまうか




「お前…なんなんだよ!?


その髪の毛ってことはお前も仲間か?」



なるほど最後のあがきか…


本能的に私とやり合うのは危険だと察知した義獣人達は最後に私に聞いてきたんだ


そうだね…私もあんたらと同じ義獣人だよ



でもね



「私はあんたらみたいにその力を悪のために使わない


だからあんたらの仲間ではないの」



指をポキポキと鳴らして彼らに近づくと今度はいきなりタックルしてきた。



「うおっ…!?


いきなりなにするんだよ…ってなるほど


あんた、猪の義獣人だったのか……」



荒い鼻息とギラギラとした獣の目


明らかに理性をなくした完璧な獣だ


だから街に逃げ込む義獣人は嫌なんだ


私達のように制御する装置を定期的に使用して人としての理性を保つようにしないとああなる



「あーあ…


司令官から獣人化の許可を貰えばよかった」



溜息をつきながら頭をガシガシと乱暴に掻くと腰に装備した麻酔銃のリロードを完了させて獣に視線を移した。



またニヤリと笑って舌なめずりをしながら

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