カラオケ店
@aolmidori
第1話 放課後の怪しいカラオケ店
「…iカラガ…チカラが…やつに楯突く力が…あればッ!」
何気ない平凡な日常がある日を境に音を立てて崩れ去った…。
高校生となってから数ヶ月たち学校生活にも慣れてきて、楽しい日常を過していた時だった。
「あかり〜この後みんなでカラオケ行くんだけど一緒に行かない〜?」
そう声をかけてきたのはこの高校で友達になった“雪”だった。実際この後なにかするわけでもなかったし、少し歌いたい気分だったのでその誘いを受けた。これが悲劇の始まりとも知らずに…
自分と雪、そして、ほか2人を含めた女4人で駅から少し離れたところにあるカラオケに着いた。
“Present for Me“ 略して“PfM“という名前のお店。薄暗く、気味が悪い雰囲気のあるところだった。いつもなら駅周辺にあるチェーン店に行くのだが他のお店よりも安さが爆発していて知る人ぞ知る場所なので交代で追い出されることもないらしい。
店内に入ると外の雰囲気とはうって違って明るく清潔感のあるお店だった。雪たちはこの店を知ってからよく行くようだった。
「あかり〜学生証〜」
そう呼ばれカウンターに行くと見たことのない値段表が置いてあった。
「そっか、あかりは初めてだもんね。ここはね、女子にチョーお得なお店なの。しかも学生ならさらに割り引いてもらえる。その他のサービスも充実してていいんだよ〜」
確かに、値段表には
『女性の方フリータイム500円4時間保証』
『学生証の提示でメニュー1品どれでも無料』
『制服でのご来店で最終的な金額を半額』
と書かれていた。
しかし、通常料金は
『フリータイム2万円1時間半保証』
『ワンオーダー制、5千円以上に限る』
『選択の場合追加3万円』
と書かれていた。ここで言う通常は男性しか当てはまらない…。そりゃあ人知れず潰れずに運営して行けるわけだ。その時は、ただの事実上女性専用のカラオケ店だと思っていた。選択の意味がよくわからなかったが、部屋の指定だろうか…。その辺のことは来たことのある雪たちに任せっきりで聞いていなかった。
一通りの手続きが終わり案内された。
雪たちについて行くとそこはまるでホテルの一室かのような部屋だった。ホテルと言ってもラブホテルのような…。大きなテレビ、ダブルベッドよりも大きいベッド、机に、トイレ、シャワールームまで完備されていた。本当にラブホテルの一室だ。
「ねぇ、雪?私たちカラオケに来たんだよね?それにしては、ラ、ラ、ラブホテルみたいじゃない…?」
そう聞くと雪たちがなにか話し始めた。
「え?雪っち、茜っちに説明無しだったの?」
「さすがに可哀想だよ〜」
「せっかくだし、何も知らないノーヒントで楽しんで貰いたいじゃ〜ん。だって、ここは凛が教えてくれた場所だし、花には説明して面白い反応見れなかったからさぁ」
「そりゃあ、雪っちを誘って花に説明しようって言ったのは私だけど…」
「まあまあ、いいじゃん。ね?あかりもノーヒントの方が楽しみでしょ?」
正直、恐怖しか湧かなかったが
「う、うん。サプライズの方が楽しいこともあるもんね…」
苦笑いで返した。
そんな会話があったが来たのはカラオケ最初は誰が歌う〜?から始まり時計回りで雪→私→凛→花の順に歌うことになった。それぞれ、最近流行りの曲や好きなアニソン、ネットで作成投稿された楽曲、車の中で聞いていたであろう何世代前かの曲と様々な曲を歌った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます