第41話

〜数年後〜



「stop!」

(止まって!)


アレッキー

What's wrong?

(どうしたの?)


沙羅

It's a place for memories.

Will you wait a few minutes?

(ここは私の思い出の場所なの。少し待ってくれない?)


アレッキー

OK,my angel.

(オッケー。僕の天使ちゃん。)


沙羅はコツコツ、とヒールの音を鳴らして、車から降りた。

サングラスを外した。


久しぶりに見た、大学の門。

大学を卒業して、一年半が過ぎた。

もうここには、みんなはいない。

皆、どうしているのだろうか。


沙羅は、大学の中を歩く。


学生たちが、おしゃべりをしながら彼女の横を通り過ぎていった。


後ろから学生の話声がきこえてきた。

なんとなく、きこえた単語につい聞き耳を立ててしまった。


「昨日のレオ様の配信見たあ?」


「レオ様」か・・・

懐かしいな。

彩花がよく話してたせいで、特に記憶に残っている。

確か、大介くんのあだ名みたいなものだったよね。


「見た見たー。彩花さんでしょ!」

「あの2人お似合いだよね~!」


彩花の話!

沙羅は、つい後ろを振り返った。

大学生の女の子が2人、話しながら歩いている。


そのうちの一人が沙羅を見て、

「あっ」という驚いたような顔をした。


沙羅


「沙羅さん?!」


沙羅

・・・


「私です!」


沙羅

えっ、もしかして、、葵ちゃん?!


はい!お久しぶりです。


そういうと、葵は、ぺこっとお辞儀をした。


沙羅

えー!!

全然気づかんかった。笑


えへへ。


葵は相変わらずかわいらしい雰囲気だったが、メイクもして大学生っぽくなっていた。髪の色も明るい。


沙羅

そういえば、さっき、彩花の話してた?


はい!

レオ様と彩花先輩、一緒に配信したりしてますよー!

仲良しですよ!


沙羅

えー!じゃあ結局あの2人付き合ったんだあ


うーん、でもなんか違うというか。


沙羅

え?


あおいはもっといちゃいちゃしてるのが見たいんですけど。

なーんか、あの2人、友達っぽいというか。


沙羅

やっぱりか・・


沙羅は在学中は、はやく2人のことをくっつけたくてたまらなかった。

見ていてイライラしたもん。

私だったらすぐ付き合っちゃうのにって。

だけど、結局友達のまま卒業したんだよね。


沙羅

でも、それはそれで、お似合いかも。笑

彩花、、

久しぶりに会いたいなあ。

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