第34話


~大学の授業を終えて、帰る彩花と沙羅~

彩花

あー、楽しかったなあ、レオ様ナイト♪

余韻~♪


沙羅

良かったね♪

葵ちゃんも一緒に行ったんやろ?

大丈夫だった?


彩花

そうだよ!

すっごく盛り上がった!!

あ、写真みる?


沙羅

見たい見たい♡

・・・わー、人多い!


彩花

レオ様の人気が凄かった!

やっぱりトゥイキャスの王だよ。

ジャニーズと同じ・・いや、もっとすごいよ、多分。


沙羅

へー。

あの大介くんがねえ。

って、彩花、あれ!


彩花

ん?


校門のところに見慣れた二人が立っているではないか。


葵ちゃんと大介くんだ。

2人で話しているけど、2人とも真面目な顔をしている。

なんだか変だ。


たったったっ


しばらくして、葵ちゃんが去っていった。


彩花

何話してたんだろ・・


沙羅

さあ?


大介

・・・あ。


彩花

あ!大介くん!はは、


沙羅

元気ー?


大介

・・・うん。

・・・いま、告白された。


彩花・沙羅

ええー!


彩花

な、なにを?


沙羅

何をって、そりゃ決まってんじゃん!


大介

ぼー・・・

俺、帰るわ。じゃーな。


彩花

あ、うん。じゃあね!



沙羅

告白って


彩花

うそ。


葵ちゃん、レオ様ナイト一緒に行ったばっかりなのに・・・

そんなに大介くんのこと。


沙羅

葵ちゃんやるなあ。

彩花もライブの余韻に浸ってる場合じゃないよ!

何か対策考えんと!


彩花

対策って汗


沙羅

アタックしなきゃ!葵ちゃんに大介くん取られちゃうよ?


彩花

だけど、、葵ちゃんの気持ち知ってるし、決めるのは大介くんだし。


沙羅

彩花は、それで良いん?


沙羅が心配そうな顔をしてじっと覗きこんだ。


私は・・・


私は、、






嫌だ。





嫌だ、けど。

取るとか、取られるとか。

そんなんじゃないような気がするのは、きれいごとなのだろうか。


彩花

私は・・・2人が決めたことなら、いいと思うよ。


沙羅

・・・そっか。

彩花がそう言うならうちは何も言わないけど。


~彩花宅~

もし、2人が付き合うことになったら、


「嫌だ」


と思った。


これは、なんだろう。


私、なんで嫌だと思ったんだろう。


大介くんのことが好きなのかな。


分からない。


それとも、ただ単に、レオ様に彼女ができるのが嫌なのかな。


私、どうしたいんだろう。


正直、告白とか、付き合ったりとか、まだ考えられない。


だけど、大介くんはいつも近くにいた。


気が付いたら、いつも、すぐ近くにいた気がする。


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