第33話
ガチャン―
ずっしりとした重い扉を開けると
暗闇の中に無数のペンライト
おびただしい数の光の点が東京ドームを埋め尽くしている。
センターステージでははレーザーの光や照明が飛び交っている。
大きなスクリーンには、革ジャンを着たレオ様が映っていた。
髪の毛はきっちりセットされて笑顔で手を振っている。
その姿は、普段の大介くんとは違う。
みんなのアイドル「レオ様」だ。
配信で何度もきいたことのある曲のイントロが流れ始める。
ここは、「レオ様ナイト」という特別な空間なんだ―
「夢」という言葉が一番ぴったりくるような。
彩花たちが圧倒されていると、
葵ちゃんが小声で「席こっちです!」と耳打ちした。
四人は、レオ様に夢中になっている観客の間をコソコソ通り抜け、席に向かった。
アルバイトだろうか、黒い服を着たスタッフと目が合った。
~~
千尋が「めろんくんだ!」といった。
ステージの方を見ると、
レオ様ナイトのゲスト7人が登場していた。
カワボ(かわいいボイス)のめろんくんに、セクシーボイスが売りのちょこたん
他にも、トゥイキャスの人気配信者たちが集まっている。
みんな、彩花たちがトゥイキャスで一度は見たことがあるような人たちだ。
「おいおい~お客さん一人占めすんなよ~」
「俺ら下で待ってたんだからw」
「いや~、それにしてもね!こんなにお客さん集めるなんてね、ほんとにレオ様はすごいよ」
「え~、ありがと♡」
観客(フ~)
「いや、レオ様が良いのは声だけだよ?」
「声だけっていうなー!」
~~
トークが終わり、二部に入る。
レオ様を含む8人がそれぞれ気球のような乗り物にのって、客席に近づいてくる。
理央
ちょこたん~~あ、向こうにいる!!
ちょうどレオ様の乗った気球が彩花たちがいるところに近づいてきた。
ベノムの前奏が流れ始めた
前奏のリズムに合わせライトが赤、青、オレンジ、といろんな色に点滅する。
レオ様
「♪足りないものなーんだ
僕らの人生」
めろんくん
「♪正解どこなんだ 探せよ探せ」
ちょこたん
「♪例外ない にっちもさっちも 零下以下なら劣化以外ない」
レオ様
「♪正味クソゲーだ カラ空回れ」
葵
キャー!!レオ様ー!
彩花
レオ様ー!!
♪倦怠モード「苦」だ 僕らの人生
校内猛毒だ 屈めよ屈め
盛大KNIGHT 和気あいゴッコは成敗DIE by 生産性ない
後悔もう「独」だ 笑えよ笑え
千尋
めろんくーん
♪ 心のレシピは かまちょ味(み) 寂(じゃく)ジャンキー
だんだん強がって ドロドロに伏す
ドクドク呑み込んで 苦しんで泣いて吐き出せないの ベノベノム
さよなラ
理央
ちょこたーん
みんなここぞとばかりにペンライトやうちわを振っている。
♪あらま
求愛性 孤独 ドク 流るルル 愛をもっと頂戴な ねえ 痛い痛いのとんでけ
存在感 血ドクドク 零るルル 無いの?もっと愛 愛 哀 哀
叫ベベベノム めっ!
めっ!に合わせてレオ様がこっちに向かって指をさしてきた。
ニコッと笑って。
葵
キャー!いま絶対葵のこと見てましたよね♡
彩花
えー!私だよー!!
葵
葵だもん!!
〜〜
こうして、楽しいライブは終わった。
彩花
楽しかったねー!!
千尋
うん!初めてのライブだったけど、楽しかった♡
理央
また来たいね♪
彩花
またみんなで来よう!
千尋・理央
葵ちゃんも、一緒に行こうね!!
葵
へ!
行ってあげてもいいですよ?
皆さんがどうしてもって言うなら♡
千尋・理央
やったー!!
葵
照///
彩花
(なんか今日は葵ちゃんがかわいく見える、、!)
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