第26話
彩花
よし、明日に向けて寝ようかな。
あ、レオ様が配信してる。
久しぶりにきいてみようかな。
♪(トゥットゥルルットゥ ルットゥットゥル)
ベッドに寝転んで、スマホから流れる音に耳を澄ました。
♪『銀河の隅で惑星はグルグル周る
電波の記録 エコーがかえってきた
これで何回だ』
惑星ループ。
ああ、本当にレオ様の歌声はかっこいい。
『遠くの宇宙(そら)であなたに恋をしたんだ
届かないことわかってるのに』
画面が投げ銭のアイテムで埋まっていく。
次々にアイテム付きのコメントが表示されていき、止まらない。
『あーあなたに逢いたいな って気持ちがループ
ループする
あたまがどうにかなりそうだ それ以外交わせない』
ねえ。でもさ、レオ様。
こんなに人気になって、これだけ女の子たちを虜にして。
あなたは、どうしたいの?
どこまでいくの?
次々と流れていく女の子たちのコメント。
そのどれもが、レオ様に夢中で、恋をしているみたいだ。
まだ、足りないの?
レオ様はこれだけ愛されてるのに。
『あーいますぐ逢いたいな って来る日も来る日もループループする
この周回軌道上にあなたがいなくても
(トゥットゥルルットゥ ルットゥットゥル)そこに大体、愛が在るだけ
(トゥットゥルルットゥ ルットゥットゥル)そこに大体、愛が在るだけ』
彩花はどうしようもなくなって、配信をきった。
やっぱり、きかなかったら良かった。
同じ学部で、後ろの席、で。
今日だって大学でしゃべった。
大介くんはただの友達・・・
とても遠く感じるよ。
やっぱり、どう考えても私と大介くんは釣り合わない。
明日のテストのために、寝なきゃね。
彩花は布団の中に入って、目を閉じた。
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