第16話

かわいい子、と彩花は思った。


女子高生と言えば、チャラチャラしている子も多いが、この子はきちんとしている。


真面目で良い子そうだ。


「レオ様知ってるんですか・・・?」


女子高生は控えめな小さな声で続けた。


彩花

もちろん知ってるよ!私もファンだもん。


「ほんとですか!良いですよね。私、レオ様の課金ランキングで一位なんですよ。」


課金ランキングというのはトゥイキャスで「投げ銭」をした金額が大きい人の順位だ。

視聴画面から確認できる。

配信中に配信者を応援するために投げ銭をする。

多い人は一回の配信で3万円以上使う人もいる。

もちろん、そんな大金を払う人は少数で、ほとんどが数百円である。


100人以上の人が投げ銭をするので、かなり稼げる。


レオ様は有名配信者だ。

投げ銭をする人も多いだろう。

その中で一位ということは、かなり課金しているのではないだろうか。



まだ高校生なのに、この子。


本当にファンなんだ。


ちなみに自慢じゃないが、私、彩花は一度も課金をしたことがない。笑


彩花

一位って、、、すごいね。


「えへっ♡・・・それはいいんですけど。

もしレオ様がこの大学にいたらどうします?」


彩花

え?


ドキッとした。

レオ様はこの大学にいる・・・。


もしかして、大介くんのこと知ってるのかな。




「どうします?」





彩花

え、どうって、、びっくりするけど、、、。


「いるかもしれませんよ?」


そういうと、女子高生はふふっと笑った。


この子、やっぱり大介くんのこと知ってるのかも。


なんか、怖い。



彩花

なんでそう思ったの?


「調べたんです。最近レオ様、配信の様子がおかしいなって思って。」


彩花

おかしいかな、私は気付かなかったけど、、、


「えー、おかしいですよ。よく聞いたら分かりますよ。」


私も一応よく聞いてるんだけどな、、


沙羅

ねえ、彩花、カフェで話したら?


沙羅が心配そうな顔をして目を合わせてきた。


彩花

そうだね。カフェで話そう?


「いいですよ!色々情報交換しましょ、レオ様のこと。

レオ様の話できる人、クラスに居ないの。

 嬉しい♡」


女子高生は楽しそうに話したが、彩花の心はザワザワしていた。


~~

カフェ


彩花

えと、、なんて呼べば良いかな。


「葵(あおい)です。そちらは何と呼べば良いですか?」


彩花

あおいちゃん。。私は彩花だよ。


沙羅

うちは沙羅。


「彩花さんと沙羅さんですね。かわいい名前ですね♡」


彩花

あ、ありがとう!

あおいちゃんは、高校生なんだよね。

どうして校門のところにいたの?


「レオ様を待ってたんですよ。」


彩花はコーヒーをこぼしそうになった。

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