第14話

「みんなやっほ~、レオ様だよ☆」

高校の時から、二年以上聞き続けている


いつも通りの配信。

レオ様の声。


なのに・・・


おかしい。


いつものレオ様じゃない。


いや、おかしいのは私の方だ。




どうしても、大介くんの顔が頭にチラつく。


レオ様っていうより、、、大介くんの声。



あーもう、やだやだ!レオ様の配信に集中したいのに!


私の心の支えなのに!!


いつもはこの声に癒されてるのに、もはや癒しでもなんでもない。


「だって、大介君そのものなんだもん・・・」


彩花はベッドに体育座りをしたまま、ふう、とため息をついた。


「最近、練習してる歌があるから、皆にきかせたいんだよね~。」


「ききたい!」「楽しみ(/ω\)♡」「レオ様の歌好き。」


・・・。


嬉しい。レオ様の新曲。


でも・・・


集中できない。


もう!なんなの大介くん!


彩花は唯一の心の支えを失いそうになっていた。




~大学~


沙羅

ねね、彩花、あのあとどうなった?


彩花

あのあと・・・?


沙羅

もう~。ほんと彩花って面白い♪

大介くんちだよ。意外と大胆だな~って思ってたんだから笑


彩花

はあ~??何もしてないし!すけべ!!


沙羅

スケベって言葉久しぶりにきいた・・・

そっか~。つまんなーい。


彩花

あ、でも。


~思い出し中~


「違うよ。」


「俺を見て。」


~~


沙羅

えー!!それって迫られてるじゃん!


彩花

んー。でもからかわれてる感じなんだよなあ。


沙羅

彩花は大介くんのことどう思ってるの?


彩花

うーん、、まだ、よく分かんなけど。あのひと、ちょっと変わってるんだよね。レオ様は癒しだし好きだけど、大介くんは違うなあ。


沙羅

ほう。思ってた感じと違うってこと?


彩花

うーん、そうだね。素のレオ様はよく分からない。


沙羅

でもすごいよね!あんなにギャーギャー言ってたレオ様に会えてるんだよ?


彩花

確かに!私、めっちゃ運良いね!


教室に入ると、いつもの席に、大介君たちが座ってるのが見えた。


大介くんは「おー!」というように手を振っている。


彩花も手を振り返した。


席につく。


彩花は振り返って大介くん方を見ると言った。


「ってかさあ!私のレオ様を返してよ!」


「はあ?」


「レオ様は私の癒しなのに、、全然集中できないし、大介くんのこと考えちゃうし・・・。」


「笑。それはしょうがないだろ。俺悪くないし。」


「うー。。」


授業が終わる。


彩花は席を立った。


「一ノ瀬―、」


「なに?」


「これからも俺の配信きけよ?」

大介くんはそういうとニヤッと笑った。


「うん。」


なんなんだろ。


でも、大介くんも、、、レオ様も、私のこと考えながら配信したりしてるのかな、そんなことを思ったら


「ふふっ」


自然と笑顔になっちゃう。

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