第15話 演劇部の話
母校は割と先輩、後輩の垣根が低く、演劇部の先輩を呼び捨てで呼んだりしていた。
僕らの一年先輩にTとQちゃんがいた。
Tは飄々としていて、不思議な雰囲気のある人だった。
演劇部がいつも稽古をしている小ホールにあった巨大なモニターにスーパーファミコンを繋いで、休み時間に『ウルトラマン』で遊んでいたり、国語科室にX68000というパソコンを持ち込んでゲームをしていたり。
Qちゃんは何故、Qちゃんかというと、名字が坂本だったから。
Qちゃんは演劇部の先輩だったけど、僕にベースの弾き方を教えてくれた音楽の先輩でもあった。
Qちゃんは筋肉少女帯やモンティ・パイソンのファンで、Qちゃんに借りた筋肉少女帯の『エリーゼのために』で、僕も筋少を聴く様になったり、学校の帰りに彼の家で初めて『モンティ・パイソンのホーリーグレイル』を観て、殺人ウサギのシーンで「あっ、ヴォーパル・バニー(『ウィザードリィ』に登場するウサギのモンスター。首を刎ねるクリティカル・ヒット攻撃をしてくる)の元ネタだっ!」と喜んだりした。
こうした先輩たちの影響を受けながら、僕は毎日楽しく過ごしていた。
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