ぱわーいずじゃすてぃす
路凍
プロローグ
時はだいたいかばん一行が新たなちほーへ旅立ったちょっと後くらいのこと―
―――
私はアルシノイテリウム。むたいちほーに住むフレンズだ。
今日もちほーの連中はうるさいくらいに元気だ。耳をすませば
「今日も元気に正拳突き100発!」
「「押忍!」」
「相変わらず無駄撃ちが多いぞ!妹よ!」
「姉さんこそ、一撃に拘りすぎなんじゃないの!?」
と鍛錬に明け暮れるあいつらの声が聞こえてくる。
ちなみに私は今、本というものを読んでいるのだがなかなか面白い。
内容の全てを把握できるわけではないが以前遠出の際立ち寄った"としょかん"というところで"文字"とやらを学んだおかげでなんとなく意味はわかる。
それはいいのだがあいつらの声を聞いていたせいかどうも血が騒ぐ。
私もこのちほーの住民というわけか。
どれ、久しぶりに。
地面から"ぶーめらん"状の武器を引きずり出し、構える。
「はぁっ!」
そして思いっきり投げる。
久しぶりに投げたせいか手から放たれたぶーめらんはあらぬ方向へ。
「やってしまった…」
そう呟きぶーめらんを追いかける。
クソっ、あいつどこまで飛んでくんだ。
―――
しばらくして、私はぶーめらんに追いついた。
追いついたのはいいのだが、よくわからん建物の壁をゴーカイに破壊してしまっていた。
やってしまったな。
とにかくぶーめらんを回収しなければ。
私は破壊された壁から建物に入っていった。
ぶーめらんはすぐ見つかった。
瓦礫のすぐそばに突き刺さっていたのだ。
「あったあった」
とぶーめらんを引き抜いた私はふと辺りを見回す。
しかしこの建物、一体何なのだろうか…
好奇心のままに私は探索を始めた。
…のはいいのだが、すぐ何かに躓いて転んでしまう。
おまけにそれのせいか、何故か別の壁が崩れ落ちてしまった。
「えぇ…」
いや、確かに転んでしまった私も悪いがこの程度でぶっ壊れる建物も建物だ。根性がなさすぎる。
私は起き上がり、足元を見る。
何やら太い"ぱいぷ"のようなものが崩れた壁の向こうまで続いている。
どうやらこれに躓いてしまったらしい。
とりあえず辿ってみるか…
と言っても壁はすぐそばだが。
数歩歩くと壁の向こうが見えてきた。
その光景を見た私は衝撃のあまり退いた。
壁の向こうにはよくわからん"装置"みたいなものがあり、その中には…
一人の女の子が眠っていた。
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