小休憩
城の跡地は、膨大な数の死体に埋め尽くされていた。
人の死体、魔人の死体、亜人の死体。
ナギは、魔人の死体を念入りに調べている。恐らくはメテオ改の効果を検証しているのだろう。
建物の残骸についても、検証して、特に原型が残っている建物を見て回った。
より殺傷能力の高い魔法を研究しているのだろう。
ひととおり見終わると、城の跡地から離れ、小高い丘の上で休憩を取る。
一連の戦いで、カースとナギはもちろんのこと、アデラでさえも疲れていた。
「もう都まで障害物はないな」ナギが2人に告げた。
「都にメテオ改を落とすつもりですか?」
「いや、メテオ改を落としても、4分の1を消滅させて終わりだろう。それに」
「それに?」
「カースは嫌なんだろう?」
「はい、嫌です」
「しかしな、結局、城の人は誰も救えなかった」
「はい・・・」
「都へは潜入するしかない、今回みたいに暴れては、また、同じことの繰り返しだ、アデラ様もよろしいか?」
「ああ、私は、そうだな、それでいい」
「都でどんなにひどいことがあっても、人を助けるようなことはしないこと、王宮への潜入が第一です」
「はい、ナギ、分かりました」
「ここが最後の休憩となる、魔力の回復にもあと半日は必要だ、カースとアデラ様は少し離れたところにある泉で体を清めて来たらいい」
カースとアデラは言われるがままに泉まで来た。下水からの潜入ということもあって、相当匂いが体にしみ込んでいる。
カースが服を全部脱ぎ、先に泉に入る。アデラは少し遠慮しがちに服を脱いで入ってくる。
「何を今更照れているの?アデラ」
「少しは照れるぞ、カース、は、裸になるのだから」アデラの赤い眼が羞恥にうるんでいる。
「2人で逃げた時は洞窟でずっと裸だったのに」
「ば、ばか、恥ずかしいことを思い出させるな」
「アデラ、綺麗だよ」
「ん、カースもかっこいいよ、強くなったね」
2人は一糸まとわぬ体をぴったりつけて、水を浴びる。
「アデラ」そう言って、アデラのあごを持って上を向かせる。
「ん」そのまま、目を閉じるアデラ。
くちびるを重ねる2人。
そのまま、カースの手がアデラの下腹部に伸びる。
アデラは、カースの手の動きにびくびくと体が反応する。
アデラが岩に腕をついて、後ろからカースが獣のように挿入する。
アデラは、声を押し殺して、カースのものを受け入れている。
カースとアデラが泉から帰ってくるとナギは寝ていた。
よく、この環境で寝られると思ったが、それは自分たちも同じなのかと思った。
空を見ると星空が綺麗だった。
空を見ることも久しぶりのように思えた。
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