後後248 学園の華子の朝


華子が学園に通いはじめて2日目。

朝登校してから早速食堂に行くと


「あら、お早いこと!」華子

「おう、早いな。どうした?と言っても、ここに来たんだ、ケーキだな?」学園長、口の周りにクリームベタベタ。


「勿論でございますわ、おっほっほっほ!博子、ケーキを全種類持ってきて。」

「えー、んじゃ小太郎達、持ってきてよ」

「いやです。あなたが命じられたのだ。あなたが責任もってやってください。」小太郎

「硬いやつだな?モテないぞ?」そう言えば男は怯むとかスマホからネットの嘘ばかり情報でも読んで覚えたのだろう。

あいにくこっちの世界でそんなの気にする男はまず居ない。


「へぇ?あなたはモテるんですか?」小太郎

「ぐっ!!、き、きさまっ、、言ってはならぬことを・・・」博子ダメージ20、致命傷

「ほら、とっとと買ってきなさい」小太郎

「カネナイですよ?」博子

「園長のツケでいいです」華子容赦なし!!


吉宗とかナデシコって、こんな性格じゃないよな?と思い返すキッチョム園長。

うん、ここまでは酷くなかった、と、少し過去を振り返ったキッチョム。


では、と茶の用意をする薫。

響子は取皿とフォークの用意をしに行った。

警備はなっちゃんに任せればいいので、小太郎も何かないかな?と新しくなったメニューを見てみる。


武国定食松

武国定食竹

武国定食梅

武国高級定食松

武国高級定食竹

武国高級定食梅

武国際高級定食松

武国際高級定食竹

武国際高級定食梅


あれ?こんなんだったっけ?

思い返す小太郎。

ああそうだよ、入学当時にここの食堂に来た時も・・・・怒りが沸き起こったんだった。

学園長の側に行く小太郎。


「学園長、これはやっぱナイのでは?」

と、小太郎はメニューのその定食の名前のところを指差す。


「え?わかりやすくていいではないか?」

うむ、何が問題なのかがわからない様子。


「この高級ではない定食は単なる日替わり定食です。日替わり定食でいいでしょう。そして、高級と銘打つ定食は、単に日替わり定食のおかずが3品増えただけです。あなたは普通の剣に小柄が増えたら高級の剣と思いますか?」


がががーーーん!!!

ショーック!キッチョム大ショーック!!


「う・・・そうれはもっともな、話だ・・・大日替わり定食、とかにさせよう」

「そうですね、その程度がふさわしい名前でしょう。そしてこの超高級を銘打つのは、たしかに素材は獣から魔獣になって美味しい肉など使用されています。けれでも、作り方はどうでしょうか?あなたは、フツーの刀鍛冶が

「わかった。それのみ武国定食の名を使わせる。ただ武国定食だと今までのしょぼいものだと勘違いされる。なので、何かふさわしい名は無いか?」


ふむ、とかんがるー小太郎。

では、と小太郎は

「魔獣定食などふさわしいですが今ひとつですよね?なので学園魔獣定食とか?逆だと魔獣学園定食になり、魔獣の学校かよ!!と突っ込まれます。」


突っ込み方はイマイチでも、突っ込む隙きはちゃんと捉えている小太郎だ!!


ふむふむ、と納得顔のきっちょむ学園長。

「では、学園魔獣肉定食、だとも少しわかりやすいな?」

「素晴らしい!!学園長、それは良い案ですな!!」


こいつ、ほんとに10代か?、いい歳のそれなりのおっさん誘導術が・・・


「うむ、まぁ、ではそれで行こう。また気づいたことがあったら頼む」園長

「勿論です、その時はまた素晴らしい案をお聞かせ願いたいです!」

「まぁ、その時はその時で・・」


茶の用意をしていた薫も、皿の用意をしていた響子も、小太郎の”上手さ”に気づいた。

勿論ジゴロとビッチも。

(すごいな。どうやったらこう育つのだ?)ビッチ

(うん、味方で良かったな。)ぢごろー

(確かにそうだな)


でも皆は(頭の”学園”っていらないじゃん魔獣肉定食でいいじゃん)と思った。学園長のセンスがその程度だと再確認されてしまってもいた。


博子はどうしているのか?

朝早くは未だに苦手。以前小館に居た時は起こされてすぐに鍛錬で体を動かしたから目が覚めたが、ここではそうではないし、自ら鍛錬する性格でもない。なのでまだ寝起きの状態。

静かでよい朝である。



で、用意ができ、華子が皆を席に着かせて

「ではいただきましょう!好きなものをとってね!」

で、一斉に食べ始めた。


勿論華子は邸で朝食をとっているし、皆も自分の家の王都邸で食べてきている。勿論治五郎とナノビッチも寄宿先でとっておる。

でもやっぱケーキは別腹になってる。

全種類32。8名。朝食後にはちょうど良い量であった。


が、対立はここで勃発した。

「おれ、これ以上食えない」治五郎が2つ残したのであった。


ケーキによって目が覚めた博子も含め、7人。小太郎も参戦。

残されたケーキ2つ。


「仕方がないわね、ではわたくしが・・」

「それはないのではないでしょうか?」薫

「そうですね、今後の件もありますし、王者にふさわしく、部下に譲るというのが頂点に立つ者にふさわしと・・」響子

「あたしはいいよね?」博子

「あんたは・・・どういう立場なのだいったい?」小太郎が改めて博子がナニなのかを問う。

その間に治五郎がカウンターに行って5つ貰ってくる。


「ほれ、これで皆一つづつだ」

「「「「「「「おーーー!!!!」」」」」」」


さすがジゴロ!女性の扱いプロである!!!


「治五郎な」

誰とはなくに小さく言う治五郎。


朝の銭湯は回避された。

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