後後219 新たな路地とお店と、、?
翌朝
農国王宮
アニャータは気が付かなかったが、侍女たちが気がついて王に報告が行って偉い騒ぎになったそうな。
壁の文字は何をどうやっても消えず、上からタールを塗って真っ黒にしても浮き出てきて、にかわを塗って板を貼ってもその上に浮き出てしまう。
「妖精の参上記念としてとっておけ」
というのが、最終王様決定。
それから国内でうまいと評判のトリミング師を探し出すプロジェクトを稼働させた。
それらを見ていた武国将軍様、
「おまえのところのトリミング師、うちのガクに教えてもらえばいいんじゃないか?」
「それほどなのか?」農国王
「奴以上に上手い者など、いくら農国と言えども居ないだろうな。」将軍
「それでいいか」
「んじゃ、帰ってくるのを待つか?」
「早いほうがいいな」
「迎えを出せヴァ?」
「どこにいるんだろ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(今ココ)
それから早馬が近隣各地に向けて放たれた。
その頃
宿の一階で朝食を食べ終えたガクと泉。ケースはもう出かけている。
食後に茶をもらい飲みながら、昨晩の事を泉に話すガク。
「なーんか、ダメダメなんですよねー。」
「人なんぞ、そんなもんじゃないか?良さなどわからんだろう」
「そうなんですかねぇ、、」
「以前、モグラのブラシ作るってんで、うち(いずみ村)のクマの毛をやったろ?」
「ああ、あれはよかった。具合のいいブラシできました。」
「あの毛見て、どうおもった?」
「どうって、とても健康的で成長した雄の成体、毎日の手入れもよく行われ、風呂もほぼ毎日入っているな、って」
「毛ひとつかみから、そこまでわかるのか?」
「え?わかるでしょ?」
・・・・・・・・
外をぶらつく。
街の一日はもうとうに始まっている。
朝の空気は昼間の空気に代わっていた。
なので裏道に入り、、
「おうケーキ屋、、、だけどあのケーキ屋か、、次の路地曲がってみるか、、」
あのごくふつーのケーキのケーキ屋をパスした泉さん。
で、先の路地を大通りと逆の方に入る。
ここにも、点々と店屋がある。
仕立て直し〼、小物作り〼、煙管制作、などの張り紙がそれぞれの戸口に見える。
「おう、少し待ってくれ」
と、煙管の張り紙の所で停まる泉さん。
どんどん、「いるかー」
顔見知りの如く、、中の人も顔見知りが来たんだと思っちゃうよね?
出てきた初老の男と話し込む。懐から煙管を出した泉さん。男がそれを手にとって見る。頷く。
「んじゃ、よろしくな、夕方でいいんだな?」
「ああ、だいじょうぶだ」
また路地を奥に向かいながら、
「手入れでも頼んだんですか?」
「ああ、そんなところだ。永く使っているからな、あと少し長過ぎる。」
改造ですか。
くんくん、、お、そこだ、、
と泉さんがまた民家みたいなところに入っていく。
ガチャ、チリンチリンチリン、、
「いらっしゃーい」と声が聞こえる
入り口にはケーキは置かれていなかった。
それどころか声の主は?、
・・・のっそりクマっぽい青年がカウンターの下から現れた。
「?何か落としたとかだったのか?」
「え?・・・ああ、いえいえ、寝てて、、ほら、ここで寝てればお客さん来ればすぐわかるでしょう?」
(どっかで聞いたセリフだな?)
(ああ、あれはそーだよー、あのぶーとっちのケーキよーせーだよー♪)節を乗せてます
(でも妖精臭くないよな?)
(ひと、なんじゃないですか?)
「まぁいい、ここはケーキ屋だろ?」
「お客さん、よくわかりましたね?」
「まぁ、、これだけいい匂いさせてんだ、違ってたら怒るほどにな。」
「ははぁ、、なるほど、、」
「で?どんなケーキがあるんだ?」
「今丁度焼きあがったところじゃないかなー」
焼きあがるまで寝てたんか?火を見て無くってよかったの?!!
「ものすごくベテランなのか?・・」
「いえー、そこまでではー、えへへー」
なんか棒読みになってるのが、、、
「それじゃまだ時間かかるな?」
「いえ、タルトとパイなんで、あとは切り分けるだけ。」
「お、んじゃ、俺に両方共1切れずつ」
「俺も同じく。あとそれに合う茶があればください」
「えっと、タルトも、パイも3種類あるけど、、」
・・・・「「全部ひと切れづつ」」
その部屋にはテーブルが3つしか無く、部屋も民家の居間そのままくらい、、12−18畳?くらいの狭っちさ。
とても質素な皿6つをうまく運んで来る。
「先にパイだ。甘くないのもあるから。今日のタルトは甘いのだけだから後だ」あんちゃん
「この店、客来るのか?」
ちょっと泉さん?
「ああ、店で食べないだよ。お客さんは皆持ち帰る。皆自分でデカイ皿持ってきて、俺がそれに載せる。」
「・・んじゃ、俺らが、ここで食べる初めてか?」
「・・・・・・・・いや、昔、、誰かがここで食べたっけ、、かな?」
(妖精じゃねーか?)
(・・性格は妖精そのものっぽいですねぇ、、)
「まぁ先に食べたほうがいい、せっかくの焼き立てだ」
「おう!そうだなっつ!!」
「いっただっきまーす!」
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