第330話 後後205 アニャータ、切れる


アニャータの家族はアニャータの毛並みの話題で話が弾んでいた、一部。他の一部では盛り下がっていた、ガクのことだ。


失礼この上ない連中だなー。まー、あまり付き合わんからいいか、、。などと思っている今もいろいろ嫌味や威圧をされながらも受け流しているガク。


あ、、アニャータさん、怒りゲージが徐々に昇ってっていない?

うわー、家族全く気がついていないのか無視しているのか?


アニャータ、抱きついている姉たちをやんわり押して離れて、

「そうそう、今日はもう王都に戻らねばならなかったの、忘れていたわ」と言ってのける。

更に

「出発する前にお姉様たちとお会いできて嬉しかったです。また機会がありましたら、、、」

と、他人行儀に言うアニャータ。


何言ってるのか理解不能な5人。


動物だって巣立ちするんだけどね。させない家族なんかいないけどね、動物にさえ。

姉達やご両親は猫獣人なのに猫よりアレなのかなー。


「さあ、ガクさん、王都に戻りましょう、国王様がお待ちですよ?」

「え、あ、ああそうだね、、」

腕を組まれて玄関に向かうと、そのまえに立ちはだかる3ばk,、、3人娘。


「我々が通すと思うのかっつ!!」長女

「その娘を置いていけ!!」次女

「さすれば命だけは助けてやるっ!!」三女


「と言っているので、従うほうが身のためだと思うけどなー」3バカの手前にいる父

「ほんに」母


父の腹にそっと手をあてたアニャータ、、父は体を折って倒れた。泡吹いている。

その後ろ、玄関扉前に立ちはだかる3人に、次々に気を思い切り出した掌底を御見舞し、吹き飛ばすアニャータ。

「い、いつの、ま、に、、がくっ、、」長女

「お、おにが、いた、、、がくっ」次女

「さ、さいk、最強、てんし、、、がくっ」三女


お義母さん、口開きっぱなしで固まってますが?


しかし泉さん、いつの間に何を教えているんだか、、、助かったけど、、


ガタン!と扉を明けると、、


がたがたがたたた、、ぱかぱかぱか・ぱか・・


豪華馬車と騎士達、と、泉さんが、居た。


「おや、丁度なのかな?!たった今着いたところだ、、、ぴったりだな?外見てたのか?」泉さん

「いいぇ、、たまたまですけど、、、」

「お迎えご苦労様です。さあ、行きましょう」

あ、はい、、

「そうそう、お母様?この紋、ご存知ですよね?」

勿論馬車に書かれている紋章だ。


目を見開いている母親。

先程アニャータが言った言葉など全く信じていなかった。

が、

目の前に王宮の馬車が、アニャータを迎えに、騎士たちと来ている。


勿論アニャータにではないだろう。アニャータはこれまでずっとうちに居た。外部と接触を持ったことなんぞほぼ無い。あるとしたら公爵くらいだろうけど、公爵が国王の馬車を出す、しかも騎士10名ほども付けて、なんぞ相当の理由がなければできない。


なので、

ガク、の、価値、がそれほどのものなのだろうか?全くそんなには全く見えないけどこれっぽっちも。ごくふつーの人間の冴えない青年くらいにしか見えない。


でもそれ以外に考えられないので、今度公爵が来たら聞いてみよう、と言ってもアニャータが居なければ来ないだろうからこちらから出向かねばならないけど、、、などと混乱しつつもどうにか考えた。


「・・・いってらっしゃい、、今度はいつ・・」

「結婚式でお会いしましょう。その後は、ハネムーンに一年ほど掛けるので、その後ですね、いつになるかわかりませんが。お元気でいてくださいね!」

・・・・・・・・・・・・・・・


あっけに取られている母を残し、アニャータとガクは着の身着のままそのまま馬車に乗って邸をでてしまう。


街なかを出て、街道の最初の茶屋で停まってもらった。

騎士たちにも休んで貰う。午前中に着いたということは夜通しだったのだろうと想像に難くない。


ガクとアニャータは泉さんと騎士達に礼を言った。

「ほんと、完璧なタイミング!!これほど助かったことはありません。」ガク

アニャータが一発で排除していたことはとりあえず言わないでおく。


最高のアイテム、王様の紋章の着いた馬車、があったから、今後少しはマシになるだろう。もう何があろうとも来ないけど。というか、シューレに頼っちゃおうかな?アニャータ取られるくらいなら使えるものはなんでも使わないと罰が当たるだろう。そのための、今まで全部なんだろう!!


と、ガク、なんか少しアレかな?


「・・あれ?んじゃ、、農国の王様まで夜中に叩き起こしたの?」

「叩き起こしては居ないけど、そうだな。寝起きのまま降りてきたぞ、ウチの将軍様も領主様も同様だったけどなー」

身支度もせずにすぐ来たってことだ。国家か家族の危機並?夜中に訪問する泉さん。


「泉さんの威力ってすごいっすね、、」

「、、ガク、おまえでもやっぱ同じだったんじゃないか?」

・・・そうかも?でも流石に将軍様はないんじゃないかな、、


ご飯食べてゆっくりして落ち着いて、出発した。


馬車の中ではアニャータと王都でどうしようか、と話した。


近くの高原の街オーウトに行ってみたいかな、ラクダ亭はもうないだろうけど、武国に来ちゃったから。

でもムーサリム料理美味しいからなー、、、

「アニャータってムーサリム料理は好き?」

「ええ、食べますよ」

「オーウトって街知ってるよね?」

「きれいな街ですよね、涼しいし、秋はいろいろ美味しいし。滞在したことあるのですね?」

「うん、楽しかった」


で、日にちが余裕そうなら行ってみようとなった。


休憩の時に泉さんに言ってみた。オーウトまた行ってみない?って。

「あーいいなぁ、、ゴルダも近いから行ってみたいな。あのじいさんのカレー、食いてーなー」

「泉さん、武国の酒持ってきてます?」

「あ、、、でも領主様に訊けばどうにかなるんじゃね?」

ああ、いろいろ行ったり来たりしてるかもなぁ、、



夕方にはスタリッツァに到着。武国離宮に入れた。

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