第313話 後後188 進行具合2 それぞれ


前話からのお芝居の話しの続き


なんだかんだで、どうにか最初の一本はまとまった。

城を抜け出して身分を隠した将軍様が、地方の街に行って旅行を楽しむ。素浪人花山大吉五郎として。

最初は素浪人だと?といかがわしく思われていた将軍だが、鼻緒の切れた町娘や重い荷物を持った老婆やら、武士に誤って水を掛けてしまった店の娘などを助け、そこらの人は花山(仮)を信用し始めた。ちなみに、「こういうのはテンプレがわかりやすいのです」という福田と、それに賛同したお后様によって強引に決定した。特に「女ばかり助けるのがいいな」と沖崎様。根も葉も無いデタラメを広められる将軍w


そして花山(仮)が、居候し始めた店屋の近隣の商屋に強盗が入る。悲鳴を聞いた将軍が乱入。切合の末、将軍の着物が切られ、肩の入れ墨が晒される。

「この入れ墨見たやつぁ、生きて帰れねぇぜ!」


だが強盗頭目と手下数人が逃げおおせた。


数日後、その街の防衛隊詰め所に呼ばれた領主と側近達。その側近の顔は、あの強盗の頭目だ。

おめぇらの悪事はわかってるんだと、お白州に座らされた領主達を脅す将軍。

それでも白をきる領主達。

そこでモロ肌脱ぎ、桜吹雪の入れ墨を見せ、

「これを忘れたとは言わせねぇ、、コレ見た奴は生きて帰さないと言ったろう?」

領主達は取り押さえられて終了。


「こういうわかりきったお話がいいのです」福田

うんうん頷くお后様

えーーー??って顔の博子。

まあ、もうどーでもいいや、、と自分の「決め」がまったくないので関心ナシの大田。


翌日、芝居小屋の頭がお后様に呼ばれ、福田と3人で話が詰められた。

翌月の演目に入れることになった。


で、


「あなた、肩に入れ墨入れてください、桜吹雪の」お后様

「は?いやだよそんなのかっこ悪い、、」将軍様

「何言ってんですか?あなたの評判のためですよ!」

「いーやーだって!!何の評判だよっつ!!」

「あなたのお話を芝居にするんですよ!」


で、詳しく問い詰める将軍様。


・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・


「おほん、、この台本、誰が書いたの?」

「私達お芝居チームの総力で」

「誰?、メンバー」

「大田、博子、福田、そして私です」

うっわぁーー、って顔の将軍

(まぁ、華子がいないだけまだよかった、あの子が汚染されずに、、、)少しほっとするが、、


「いやいやいや、、なんでそのメンツ?ガクとか泉とか信忠(東武領主)は?」

「あの方たちは忙しいのです」

・・・・・・・

(方?なんか弱み握られたのかな?これ(后)が?いや信忠ならやりかねんな)将軍

でも、抑制になるメンツが一人もいねーじゃん、、、


面白い作品を作るには、抑制は害悪である!!byどこぞのなにか


「将軍様?恥ずかしいと思ったら駄目なのです」后

「いや、俺役者じゃないから?」

・・・・・・


「主役、やりませんか?」后

「やめとこう」

俺が主役なんかやったら、更にエスカレートするのは目に見えているし、、

と、よくわかっている将軍様


「まぁ、んじゃ、この台本はいいや、でも俺は芝居はやらん、そして入れ墨も入れない。それで決まりだ」

「んじゃ、筆で書いて・・」

「脚下。」

んなかっこわりーもんできるか!


将軍は武士だがやくざな奴ではない。

まともな剣士、武士、坊主、は、そういうのはしない。


「ただ、そんなもんが流行ったら、おまえ達はどうするんだ?」

・・・・・・・・・

「・・・書き直します、、」


一見落着である!

(一見?)



後日。

入れ墨は無くなった。

が、そのぶんなのか、台本の将軍はもっとハチャメチャになっていた。


ーー


ガクのトリミング小屋。

今日は2人いっぺんにトリミングしている。

アニャータもやっているのだ。


ガクがやっているのを見ながら行っている。

ガクもところどころアニャータのやり方を見ている。

指導するところも少なくない。アニャータは指導されるとすぐ良くなっていく。指導しやすいすなおな生徒だ。

アニャータも、指導されて良くなると嬉しい。


いつもよりは時間がかかったが、どうにか上手くできたアニャータ。


「初期の頃の先生並にうまいですね」

と、ガクにやってもらっていたけどアニャータのほうも見ていた人狼

「最初のころって知りませんが、やはりガクセンセーのお弟子さんだけありますね」

とアニャータにやって貰った猫人。

毛足が普通の猫だ。

ガクが、練習用にぴったりだ!と思ったので、やらせてもらった。勿論うまくいかなかったらガクがやるつもりでは居た。


「おや?わしはそのお嬢さんはガクセンセーの奥さんだと思っていたが?」

「あらま、ごめんなさいね、奥さんでお弟子さんなのね!!」


「いやぁ、、まだ、、」とかふつーに何も考えずに言うガク

(まだ、ということは、やはり!)とアニャータが喜ぶ。


それを見て和む人狼と人猫。


窓から見てたシューレと泉

「「ケッ!!」」

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