第306話 後後181 ボケ達の晴天日和


アニャータは最初まる2日ほどは猫形態でいた。しかも2日目の大半は、トリミング終了直後のベストもっふー状態。その姿で食堂にも出入りしたし村を歩いていた。


「え?アニャータ、人間形態にもなれるの?・・・なっちゃうの?、、、、」

と、大半の子どもたちの感想。

大人たちは口にこそ出さないが、、目は同様にそれを語っていた。


「ガク、お前的には、どーなんだ?」

と、泉さんが痛いところを突く!!


「あー、人間形態もかわいいくっていいなーとも思います。」

「・・・・わかりやすい方だな、、、もっと、素直に成れ、せっかくこっちの世界にいるんだ。な?」

更に突っ込む泉さん


「うん、、猫がいいけど、あのまま外歩くと思うと、ホコリがたかったり、土が付いたり、いろいろ汚れ易いんで、、人間形態のほうが良いと思います。」

「んじゃ、それが無ければ?」

「猫に決まっているじゃないですかっつ!!!」

・・・・・・


ぼっふん!

アニャータ、猫にっつ!!!

がばっつ!!!もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ

「あふー!」アーニャ(アニャータ)


はっつ!!

「ご、ごめんっ!!!い、一体俺は何をっ?!!!」ガク


「条件反射どころじゃねーな?」泉


「・・・いいです、、ガク様なら、いいです」アーニャ

「・・・・ありがとう、、、」ガク


へっ、やってろ!(泉)



結局、猫形態で服を来てスカーフかぶってブーツを履いて(夏は美しめのサンダルを用意しよう!と思ったガク)、防護仕様にすればいんじゃないか?となった。

ので、また村長屋敷に行き、合う服を見繕ってもらった。


フリフリのワンピース、長袖。下に緩めで薄めの布のズボン。柔らかく大きめのブーツ。白と金の刺繍の縁取りのあるスカーフを、金色の髪飾りで留める。


左手には銀色のブレスレット、、、、

「何?これ、、」

おばん1「これはじゃのう、、

ガク、白い目

「おほん、、これはね、シューレ師匠がくださったのよ、汚れにくくなる魔法が効いているんだそうよ」


「ほほう、、すばらしい!!流石大精霊!!先を見越して、、、お見越しされますたな!!うむ、、しゅーれ、、やるなぁ、、流石だなぁ、、いつもそんななら尊敬されるのに」

一言余計なガク


ぼっふん!!

ガクの頭が花畑になった!!

「あら!きれい!!」

アニャータにウケたから満足なガク

チッ!!と、シューレの舌打ちが聞こえる。


いやぁ見ているだけでなんか面白いし和むし、、暇つぶしにいいなぁ、、とか思って眺めている泉。

泉がそう思うってことは、、


物陰にひそむ2つの影。

こそこそこそ

(ダーリン?なぜ隠れるのですか?)

(姫よ、隠れてこその覗き、だと思わないか?)

(なるほど!それはそうですね!!)


ガサッ、、ちょこん、、

(おまえら、何しとるんだ?)

と植え込みの中にいる妃の隣に座って訊く泉


(・・そう、これは・・・ヲッチングだ)匕王

(ほう、、なかなかおもしろそうだな?・・なぜ隠れる?)

(・・覗きは、隠れてこそ、だろう?)

(ふむ、、なるほど、白状したな、、で、面白いか?)

(こそこそ覗くのは、面白いからこそ、覗くものだろう?)

(うむ、、だな)


よし、俺も混ぜろ、と、3人で植え込みに隠れ、塀に隠れ、ひとごみに隠れ、こそこそ覗き続ける3人。

だがしかし!、ガク達以外からはもろに見えている。


「なにやってんだ?あの王様達、泉さんも一緒になって、、」

「ああ、覗きごっこだろ?」

「ああ、がきん頃、よくやったなぁ、、」


(((・・・・・・・)))

やめた、、、

と、3人は我に返った。

堂々とそばでヲッチしよう!


日向を歩き続けていたんで、頭の花畑が少し萎れてきていた。

「ほれ」と、泉がツッコミ姫(匕王妃)にじょうろを差し出す。どこから持ってきたのかは不明。勿論水が入っている。


ツッコミ姫はガクに近づいて

「あらあら!お花が萎れかけて、、ちょっとごめんなさいね?」

しょわわわーーー、

水をかけると花たちがまた活き活きとし始めた。


いつの間にかツッコミ姫は消えていた。

ガクの顔は水だらけ、、、、


あらあら、と、アニャータは懐をさぐるが、モフるだけ、、

あ、と思い出し、みみの後ろから小さな木の枝を取り出し、少し振る、

しゅらりーん!

ガクの頭から垂れる水気がなくなった。


「おお!すごいなアニャータ!!ありがとう!タオルいらずだね!!♪」

「そうですね!」

あはははははは!!×2


(((・・・・・・・・・・・・・)))

(これが、、つっこみたい、っていう衝動か、、、ここまでのは初めてだ。)匕王

(ダーリン!ツッコミ側の素質が開花?!!?)

(いや、まだわからん、これからじっくり彼らのアホウさを見ていけば、、この芽吹きかけている新芽はいずれ開花するやもしれん)

(・・・がんばりましょう!!)

(おう!!)


それをジトメで見ている泉

(あっちにもボケコンビ、こっちにもボケコンビ、、、そう言えば、いつだったかガクが言っていたなぁ、この世界にいるとどんなツッコミだろうとボケになるって、、、)


そう言える泉は稀代のツッコミなのかもしれない。

いや、ボケでは無い、というだけで、ツッコミを期待していいのかどうか?


どうなる泉!お前はツッコミ側なのか?!!!


「しらねーよ・・」


それはそうと、、晴天と日和、で二重になってねーか?(泉)

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