第248話 後後123 見れば見るほど、居れば居るほどつまらない場所
「山がない!だからかもっつ!!」
「突然何いい出したかと思ったが、、なるほどな」泉さん
「・・・泉さん、それだけで判るんですか?」若手B
わかったということがわかっただけでもBはエライな。大田含め他の連中ポカンとしている。
「あと、季節もか?」
「うーん、、、、というより天災?台風やら大水みたいな定期的な比較的軽いモノ?」
「あ、わかりました!」B
「それじゃ、魔獣の森とかもですよね!」B
「エライぞ!よしよし!」
頭をなでてやる泉さん
んじゃあいつらに説明してやれ、と泉さんに言われたB
「まず、こっちの人たちって、腑抜けている?やるきナシオ?。それの根っこが、経験を得る強制イベントが無いと、泉さんとガクさんは言ったわけ。隣町に行くのに苦労しないとか、天候を読むようにならないと不味い気候だとか、天災に備えるように日頃から考えるようになっているとか、、が、無い。だから日常生活も薄っぺらになってる、経験が浅すぎ少なすぎるから。
だから、食事もまぁ美味しいことは美味しいが、コレ以上にはならないな、といったものでしかない。ウチ(農国)みたいに極めようとか思う者はまずいない。
幸い、マクベスが居たから、現在の状態まで持ってこられたのだと思う。彼が居なかったら、僕たちが耐えられるものだったかどうか怪しいんじゃないかな?
これはこれで悪いというわけではない。過剰に消費しない、という利点はある。だから人口もそう増えないだろう。そこそこで満足できるのだから。急激な発展もないのは安全とも言える。ただ、それだと欲も少ないか?というとそれはまた別のことになるので、汚職などはもう利権化してがっちがっちになってるんじゃないかな?僕らの国の者が信じられないくらいにまでなってても、僕は驚かないね。
最初の国の国境までの街で、食い物や生活環境がひどかったのは食材がなくなっていたのがあるし、やる気がないからだろう。
国境近くのゴブ食いは、経験が無いので何がうまいのか、何が危険なのか、の判断力が足りないこと、それに、魔獣が少なすぎるで、ゴブを希少的なモノとしてなんか珍味?的に扱い始めたかなんかが発端じゃないかな?
いずれにしても、経験しない、が”積極的に努力する”ことを知らない、面倒と思うことを忌避する、それが基盤になってて、そっから経験が増えなく、生き物としての物差しが各個体の中に作られることは無い。
教わったことしかできないで過ごすだけだ。
というわけですよね?」
と、Bは泉さんとガクを見る。
パチパチパチ!
「うん、いいんじゃないかな」
「そんなとこだ」
若手3人は、わかったか、どうにかわかった感じだ。伊達に農国の若手魔法使い上位陣やっていないわけだな。
一方、あの世代の平均的代表みたいなおっさんは、、
わかった顔しているけど全くわかっていない。けど、自分ではわかったつもりになっている。という、あの世代特有のめんどくさい感じになっているので放置。
自分で気づかなけりゃ、周りがなにしても無理なのだから。
「つまり、致命傷?」D
「まぁ、、そうとも言えるかな?」泉
「なんか強烈な刺激を与えれば、若い世代ならどうにかなるかもしれないけど、、俺らの国じゃないからなぁ、、」ガク
「はーい!せんせー!」ガク
「せんせーじゃねーけど、ガク君!」泉さん
「んじゃ、もうどーしょもーないんじゃ、この先行ってもろくでもないかつまらないだけなんじゃないすか?」
「おまえ、宝探しって知ってるか?」泉
??知ってますが?
「宝の山の中に宝があったらどーだ?」
「宝探しじゃないですよね?」
「んじゃ、普通、宝探しって?」
「海の沈没船や、ダンジョンの奥や、盗賊が隠した財宝や、昔の王家が隠してそのままになって忘れらてた財宝とか?」
「そうだ、ろくでもない所にあるから宝なんだ」
「・・・・無理やり?」
「・・・・まぁ、そうでも思わんと、やってられないわなぁ?」泉さん
うんうん、と若手4人とガク
宝の山に宝があったら二倍でいんじゃね?とかぶつぶつ言うおっさんには構わず、
市場でもみてみっか、、と宿の一階の食堂を出た。
ちなみに今日の朝食は卵焼きと大根おろしとやっこと味噌汁。大量の大根おろしが、やっこにも味噌汁にも使えと言っているのだとわかる。
まぁ、、うまいことはうまいけどね、、あの食堂には醤油あるし、、
洋風なのに、突然完全和風とか出てこられると一瞬自分がここにいるのを忘れてしまうよね?
ただ、米はインディカ米だったけど、炊き方を知っているのだろう、もちっとした炊き上げだった。
そういうのを見ると、ばかじゃないとわかるだけ、よけいもったいないなぁと思うものだ。
市場はさほどでかくなかった。この、それほど大きくない王都に二箇所あるという。
意味ねぇ、、マフィア(利権)がらみでそうなったのか?
一箇所にまとまってあるほうが、なんでも、品質や技術は良くなっていく。当然売価も抑えてくる。
市場はでかいほどよくなる。
糸へんの店が集まったマーケット、床屋が集まる地域、工具やばかりの通り、などなど、客の方も「あそこに行けばどっかの店にはあるだろう」と期待できる。
元の世界でも、泉さんの時代まではそうだった。
俺の時代は逆に近くに出店するなとかギルド(組合=マフィア)が強制してたからな。
(*注* 現代でも、業界の集団や利権の集団をマフィアと呼ぶ地域は多いです。最初はびっくりしたがwなので日本の暴力団やらその下っ端組織などを指すときはチンピラマフィアと呼ぶのがふさわしいでしょう。ホンモノのバイオレンスなマフィアの数段下というか、外国の暴力マフィアの子供達の集団並ですね。HKの奴等が神戸のアレをそう言っていたw)
なんだか、見れば見るほどつまらなくなっていく国である。
「帰りてぇ、、、シューレー!!はよ迎えに来いやぁああああ!!!」
叫ぶ泉さん
シュン!!
「呼んだか?」
・・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます