第211話 後後86 日常に農国からのお客


早朝から泉さんに引っ張り出され、朝の鍛錬に参加した。

まぁ、昔ほどきついとは感じなくなったけど、、汗かいてすぐ風呂に行くのは気持ちいいけど、、

早起き嫌い、、、


風呂からそんちょ宅に戻り、朝食たべてから家に帰る。

で、二度寝。


お昼に起きて、そんちょ宅に行こうと思ったら

「お昼は皆習いに行っているからお店でね」

と言われていたのを思い出し、、、


ガラッ、、

おう、、そーですね、俺だけじゃあ無く、今までそんちょ宅でごはん貰ってた者全員ですね。

むさくるしい、


「おまえも、その一つになり始めてるんだぞ?」泉さん

「え?永遠の少年の俺が?!!!」

「おっさんへの高速街道まっしぐらだぞ?高速馬車で」

・・・・・


中身がおっさん極まりない見た目幼女?ちっさい少女?に言われたかない、、

が、

見た目だけでもむさ苦しくないって、いいよなー


「何かあほうなことを考えているな?ガク」

・・・・

「え?領主様?」

「最初からいたけどな、、寝起きの顔だったから、まだおつむが働いていなかったんだろう?」

バレてらー

「少なくとも、顔洗ってから来るべきだったな!あっはっは!」泉さん


「まぁ、、戦争から戻って来た者なんか、半年くらいはそんなもんだがの」領主様

ふーん、

でも俺戦ってないけどね



「せんそーって言えば、あの助けた西国人達って、、、」

「あー、ありゃー向こうの大陸の北の国(クマ人の国)の国境付近で村作らせて、当分はうちから食料送って、そのうち自給できるようにと言い聞かせた。半年、ウチの船が行き来し、北の国も見ててくれて、それで行けそうだったら継続して面倒見る。タカリグセがついてもっとよこせのなんのとか権利がどーのとかいい出したら放置。我が国の民じゃないからな。北も同じ意見。」


「ま、寄生する先がいなけりゃ、寄生虫は死ぬ。寄生させなきゃいいだけだ。寄生させる奴がバカなんだ、というか、そいつらが寄生虫を繁殖させている諸悪の根源だけどな」泉さん


「そういうことだ。うちの国は、寄生なんぞさせない。攻国のときみたいに殲滅するのみだ。」領主様


「奴ら自身で考え選べってんですね」俺

「ああ、あの攻国の、俺らが向こうに行ったときと一緒だ」泉さん

「これだけは仕方がない。生き物としての資質を問われているだけなのだからな」領主様



「ところで、領主様がこちらに?お客さんとか来たとか?」俺

「おう、将軍様が付き合っている。わしは自由にしてていいと許された♪」


ふーん、関わり合いになる前に逃げよう、、

飯をそっこうでかっこんで、、

「ふぉんべば、、ぼぐはもぐもぐもぐ」

シュタッ!と手を上げて出ていく俺


目の前に将軍様

思わずひれ伏す俺。

後ろに飛び退く将軍、

笑い出す泉

呆然な、将軍の横の知らない人

後ろのふくちゃん、困った顔


領主様、もくもくと飯食っている。


「武、どーしたんだ?これ、、」将軍

「、、巻き込まれる前に逃げようとしていたんではないですかね?」

困った顔というか、少し悲しい顔になっている将軍

自分がそんなに困るように巻き込んでるのだろうか?とか真剣に悩みはじめ、、

福田さんが、

「将軍様、そのようなことは夜寝る前にでもお願いします。今は、

「おう、そうだったな、、、


店の者はそんちょ組の人たちなのでよくわかっている。

将軍様とそのお客さん用に一つ、ふくちゃんなど随行者用にひとつのテーブルを用意してくれた。


お客様は農国の貴族。

それを聞いて、俺と領主様は僅かに身構えた。


ただ、それが俺と領主様だけだったので、怪訝に思いながらも問題と捉えなかった将軍様とお客様。


「ガク、おまえ、農国は気に入ったと聞いたが?」将軍様

「はい。大好きですね。人もよかった。食べ物もよかった。冬さえひどくなければ凄く良いところだと思います。」俺

「だよなぁ、そう言っていたよなぁ」将軍様


よくよく話を聞くと、文化関係の役人さんで、農国と武国が交流し始めたんで、なんかないかな?と視察に来たとのこと。

俺と楼主様は、一応、警戒を一ランク落とした。


「あ、農国って、音楽、楽団とか、どうなんですか?」俺

「うん、皆結構好きでね。弦楽器や木管楽器などはかなり浸透している。楽団も地方にもできているよ」

「領主様?」俺

「ああ、おほん、、実は、うちでも楽団を作ろうと、先日ガクと話し合ったばかりなのだ。」

「え?聞いてねーぞ?」将軍

「だからつい2−3日まえだから。まだ福田にも話は行っていないくらいだろうし、、」


「なぜ急になんだ?」将軍

「ほら、奥の残した楽器がかわいそうになってな」

「ああ、、、」と将軍


「かなりあるのですか?」農国貴族

「弦楽器は、見たのはビオラ数丁、木管横笛いくつか、縦いくつか、ドラムいくつか、木琴、ですね」俺

「ああ、あれの他にもあるが、あの時は面倒だから出さなかった。倉庫にまだある」

うわー、、どんだけ好きだったの?

「というか、奥様、本気で楽団つくりたかったんじゃないかな?」俺

「私もそう思いますね」農


・・・・・・

「よかったな武」

「そうですね、、」

今まで気が付かなかった自分に不甲斐なさを感じている様子

でも、それは仕方がないと思う。と思っているガクと将軍


なので、小館での視察が終わったら、領都の領主様の邸に泊まり、調べることになった。

「お前も来てくれるな?」

と領主様に下手に出られて、、逃げられなくされたガク


数日は小館で、特に遠吠えの曲など聞ければ聴きたいとか。

仕方がないので、今日から練習に入る。


カタリーナがおっきくなっているし、うまかったんで、指揮を任せてみようかなーと、丸投げを考えるガク。

ほんとは太狼にさせたかったが、彼は仕事がありすぎなんでやめといた。



人狼は男の子でも声変わりはない。

ただ、太くなる者もいる。個体差。

それでも、遠吠え音楽では、パートが変わるだけ。


皆の声を確認し、パート分けして、再度音階から始める。

皆が音階を確保できるのは早かった。全員一度やったことがあるから。


翌日から音程を3オクターブ、パートでずらしながら。

夕方にはだいたいできるようになっていた。


「明後日、いけます。夜に。」と領主様に報告。


久々の遠吠え演奏会。

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