第171話 後後46 料理人養成訓練所 妖精だけに、とかいうのは昭和のおっさんだからね?


その修行の場がシューレの厨房に移った。

でかいので多人数が動ける。

同時にいくつものことができる。

泡立て用の道具など、いままで武国になかったモノまである。

熊、小物までシューレの要望完璧にこなしたんだなぁ、、。国宝級?

ようせいだったりしてな、、w、、、、いやいやいやいや、フラグ立てナイ!!



厨房では俺らは試食担当。あっちの味を知っているのはここでは3人だけ。シューレは別格だとしても、あとは泉さんと俺だけだ。

だから出来上がったモノがどーなのか?をチェックできる者は俺達2人だけ。シューレは師匠だから俺らが先にチェックする。

と、屁理屈をこねて無理やり試食係になり楽なポジションを得た。


と思ってましたとも、、、


雑用係だな。

小麦粉、目が荒いので何度も挽き直して、ちいさい異物を取り除き、、

岩塩、ちょうどいい大きさにむらなく砕いて、ちいさい異物を取り除き、、

あ、洗い物は使った者が自分で洗う。そうすると、良くなかった時にはそれが目に付く場合があると言うので、他の者にはやらせない。


食材の管理も料理人達の重要な仕事。食材ごとの癖や特性を覚えないといけないから。

おれらは、田畑に出て、ちょうどいい時期のモノを刈って来ることもする。

「自分で食う、どれがもっともうまそうか?」が見方の根っこだなー、とシューレ。

最初は「これ1日早すぎ!!」「これ半日遅かった!!」など怒鳴られたが、、、収穫の目を養え!だと。


魚などは、厨房裏の生け簀で「これは1日」「これは2日だな」とか、泳がせたりするので楽な方。

そう、

シューレはケーキだけではなく、料理なんでもOKなのだ。


「ケーキ作りだけ覚えようとしても、無理だぞ?全部の総合の中で、ケーキ作りというもんがあるだけで、、全部うまくならんとケーキだけうまくなるなんてできるわけなかろう?」

そうなの?・・まーそでしょうけど、、、、しらんけどw


料理人訓練生のなかにはカタリーナもいる。

カタリーナ、結構なんでもできるんだなぁ、、

太狼も次狼も資質ありそうだとシューレは言ったが、

「これだけは勘弁して、、、部隊の隊長候補なんだから、、、」と泉さんが土下座していた。実はシューレ、大精霊様ですからね。


そんちょとか来るかな?とか思っていたが、余計な野次馬は全く来なかった。

朝飯のときに訊くと、

「なんか怖い雰囲気がして、行けなかった。最初、行こうと思って行ったんだよ、でも途中から足がすくむ」とかw

どこの超チート剣豪だと!シューレ、、



で、一月くらい経つと、、

「なかなか美味しくなったな、、、」

「うん、これなら、農国の、、、街道の茶店一軒しかないところ、ならばいけるかな」

「あー、そのくらいだなぁ」


つまり、競合があったらだめよ、ということ。


その俺らの言葉を聞き、研修生達は愕然。

「あー、おまえら折れるなよ、、、農国王都でも筆頭級の技量を付けるまで辞めさせないからな?」シューレ

そこまで鍛え上げられる、という自信。すごいなー、、まぁ、、100年200年どころじゃない”教える経験”ってのがあるんだろうからなー。

だめだめだったフィジニをケーキの神とか言われるまでにしたんだから。そんでもシューレの足下だけど。



でも時間的には無理をさせない。長く続く修行に身体的無理は無駄どころか悪影響しか無いと言うシューレ。


毎日だけど、休み無いけど、でも一日終わって風呂入ってメシ食って寝ると、皆翌日は元気回復している様子。

すげー教官だな?ギリギリを把握?w


俺は皆より楽しているので、夜は子ども達のトリミング。

長くしていなかったので、帰ってきた当初はかわいそうなくらいになっていた。いや、他に比べりゃそれでもピカピカモフ☆モフだけど、、俺が納得できるほどには遠い。

そんなことを側でトリミングを見ていたシューレに言うと、

「私の料理もそーだぞ?同じだな根っこは」と。


あー、そういうことねー、、なるほど、と納得できた。


「好きってのが一番重要なのかなぁ?」俺

「そうだな、それがなければ無理だな」言い切るシューレ



シューレが来てから、あっと言う間に半年。



「そろそろじゃ、ないかな?」泉さん

「・・・、、めんどくさい、、」俺。西の国討伐だ。

「まぁ、、なるたけ早く終わらして帰ってこよう、美味いもんが待っている、と思えば、とっとと終わらせたくなるだろう?」

「まぁ、、あー、メシマズなんて、、」

「いや、、決してまずいわけじゃないだろーけど、、な、、でも、

「でも俺達にはメシマズでしかない、っす」

「・・・・・だよなぁ、、あー、いやだいやだ」


・・・・・

「軍艦に、ゲート、作ってもらえないんスかね?」

「・・・天才か?おまえ、、」泉さん


領主様に無茶苦茶お願いし、将軍様にそのことを頼みに行くことになった。

「手土産はシューレのケーキで」

ということになった。勿論シューレの茶といっしょに食べさせるのがベストなので茶も。


シューレに言うと、

「遠出か?・・・それではこれに入れていけ、」

とでっかい木箱を渡された。中は仕切りが在りケーキ一個一個が分けて収納できるようになっていた。で、端には茶の瓶を入れられるように。

「茶は、飲む前にわかせ。沸騰させるなよ?」

「「承知!!」」


ーー


王都、王宮


「うーん、、ただでさえ魔力多い者が少ないのに、、、」将軍様

後ろに立っている福田氏は何も言わない。

あー、こりゃそれほど問題じゃないんだなーー、将軍がごねているだけかぁ、、w


「そう思って、、」泉さん

「お!来たな?なんだなんだ、はよせい!!」

まったく、、、


泉さんが福田さんに頷くと、福田さんは後ろに頷く。

ほどなくメード達がガラガラとお茶とケーキを乗せた台車を、、


「ええー、、ケーキか、、知ってるぞ、、毎日食っているし、、」指先でつんつんする将軍

「いやまあ、、でも、これは特別なものですよ?」領主様

「?見た目は、特に・・」

「ケーキは食べるものですよ?さ、お茶が冷める前にどうぞ」領主様勧める


んじゃまぁ、、といいつつパク

パクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパク

空いた皿をメイドに差し出す。メイドが皿を代える間も惜しいといわんばかりに。

パクパクパクパクパクパクパクパクパク

「将軍様、お茶を飲みながらお食べください」

お、そうなのか、、ごく、、パクパクパク

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ごく、パクパクパクパクパクパクごくパクパクパクパクパクパクパクパクパクごくパクパクパクパクパクパクパクパクパクごくパクパクパクパクパクパクパクパクパク

「え?もう、無いの?、、、、」え?なんで無いの?みたいな顔する将軍

そりゃあなたが食い尽くしたからなくなりますわ。


・・・・・・・・・・

「今、我が領では、料理人たちを鍛えています。特訓しています。半年経ちましたが、まだこれからです。やっと基本ができ始めたばかりです。」

「・・・小館、で、か?」

「はあ、、そうですね」

こいつらいったいなんなの??って顔しないでほしい、、、


「旅の成果か、、、」将軍様せいかーい!


「秘蔵の教官が来てくださっているのです。ひとごときではとどめ置くことができない存在です。が、どうにか、小館で資質のある者達を鍛えてくれているのです。」

「おまえらが、気に入られた、ということか」

さすが将軍様!でも、そーでもない?たまたま、なんて言えないけどね!!


それに付いていないとまずいということを理由に、ゲート設置を決めてもらえた。

そして、シューレが大精霊なので、ひとごときではどーにもできない存在だということも、将軍様と福田さんだけの秘密にしてもらった。

小館では皆知っているけどねw


大成功である!!!

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