第150話 後後25 中心都(東の国王都)


商会に行ってから数日は、昼と晩の食事はこっちの辛い飯を。で、ケーキで口直し、とかやっていたら、ある日気がついた。

「この、それほどでもないと思っていた方のケーキ、、辛いの食ったあとの口直しにちょうどよくないか?」泉さん

「・・そうっすか?気が付かなかった、、というか泉さんほど食わないもん」

「うん、、、食べ比べてみなけりゃわからなかったろう、、でも食後にテキトーにどっちか食っていたんで気がついた。普段に食べるなら農国系のケーキがうまいけど、、辛いのの口直しとなると、こっちのほうがいいかもしれん」

へんなことに気づくなぁ、、、まぁどっちでもいーけど、、、


「まぁ、、俺は辛いののあとは熱いチャーが一番ですけど、、」

「まぁ、、ムッサリム並になったんだなおまえ」

「ありがとう」体は大人だから辛味には強くなっているからねー、言えないけどw


「なんだろう?って思うもんでも、なんかしらの理由があるんだなぁ」

感慨深げな泉さん



小さいと言えども一応王都。

中央市場は王都周囲の村や町もマーケット圏内なので、やはりそれなりに大きく、賑わっている。朝食後に市場に行き見物し、変わったものなど見つかればよし、なければ帰りにどっかでケーキを食いーの、その後昼飯くいーの、その後口直しけーきーの、その後おやつのけーきーの、、で少しさんさくして銭湯行って、晩飯くって口直しのケーキ、で、一杯やって、たまに泉さんは酒の肴にケーキで周囲に引かれ、、。


など商会から1週間。

やっとというかいつの間にか辛味に慣れて、サムタムだったらあそこの店がうまい、イヤムならあそこだ、とかわかるようになっていた。


「んじゃ、行くか?」泉さん


翌朝の馬車にのった。

一応教会ケーキ店店主には出ると挨拶して。

その際、今度は腕輪を貰った。泉さん向けに。妖精なので自然派?なのでちゃらちゃらしていない質素なもの。だから泉さんも拒否はせず、というか気に入った様子だった。



南部諸国は小さい国をまたわけたんでちっさい国だから、隣の国の王都までこっちの王都から中一泊で着いてしまう。

ここいらには高い山など無いので道も無難なもの。川が多いけど、しっかりした橋がかかっているので問題なかった。


翌日の夕方前には中心都に到着。

都の端にある停車場から大通りを内側に見ても向こうの端がはっきりわからないほど。つまり普通の国の王都並に大きい。


中心に向かっていくと市場があるのでその付近の宿が大体おすすめ。混んでるトコならまず間違いない。と教えてもらった。御者達は停車場の近くにとまるんで、旅行者には不便なのだ。


目に着いた混んでいる宿の3軒目が「なんとなく気に入った」(泉)とのことなので、そこに部屋を取る。

帳場で船便の事を聞く。

停車場が王都の西側、王都の南側に港があるので、そこで予約できるとのこと。武国までの船は月に10本くらいあるだろうと言う。基本貨物船だが客の部屋もあるのだそうだ。

武国までは沿岸航路なので嵐でも無い限り荒れない。ただ、季節で風が不利な場合、結構時間かかるとのこと。今はそれほどでもないという。7日もかからないんじゃないか?と言われた。


「すげーはやいじゃん、、」泉さん

「いや、陸路でも道草食わなきゃ2週間かからないんじゃないすかね?」

「陸路で、みちくさ食わないでどーすんだ?」

「・・まぁ、、そーっすけど、、、」

確かに旅の意味なくなっちゃうなw


港まで歩いていると、結構あったかいと感じる。

「隣の国よりあたたかくないっすか?」

「おう、、暖流がなんのかんのとかいうやつかな?」

あー、、、隣は大陸の端なんで、寒流と合流するので、これほど暖流の恩恵うけなかったのかな、気温では。


「みたいですねぇ、、あ、だと、魚も違った種類が多いかも?」

「ああ、船の予約終わったら市場見ようぜ!」



船の予約は2週間後。結構埋まっていた。武国との貿易や人の行き来は多い方だと言っていた。

船はもう入港している船なので船自体に問題ないだろうけど、海流や天候の具合もあるので、出港2−3日前にもう一度来て確認したほうが良いとのこと。


で、その当の船を見に行った。

着いたばかりらしく、まだ荷降ろししていた。

「いや、これでも結構降ろしたんだ、喫水線見てみな?結構上がっているだろ?船が軽くなっているってこった。荷降ろしはじめて3日目だからな。あと2日もあれば終わるだろう。積み込みのほうが大変なんだよ。バランスやら、、航海中にばらけたら転覆もあるからな?」

と、俺らの話を聞いてた側にいた港関係の人?が教えてくれた。


小一時間みて、礼を言って街に戻ろうとしたら

「おい、市場わすれそうだったな、、」泉さん


と漁船の港の方に向かうと、、市場あった。


「たこじゃん!!買うぞ!!」

いきなりいずみさん!

気持ちはわかるけど!!

「これそのまま煮てたべれるんすかね?」

と一応店の人に確認して買う。異世界だからね!!


「お酢と醤油だ!!」泉さん

それも買って早々に宿に戻る。

夕飯に出してもらいたいなー。



「いいよ、茹でて、スライスだろ?うん。」と快く了承してくれた宿のおっさん。

「ときに、船はとれたのかい?」

「ええ、2週間後に」

「そりゃよかった、、が、、2週間じゃまだ天候は確実じゃないね。気をつけていた方は良いよ」

好天は続くが、荒天は2−3日のみで回復するらしいが、いきなり来るとのこと。


「航海中に来たら、ゲロどころじゃないね、、胃を吐き出す感じ?」

と恐ろしげなことを言うおっさん。

「そうなったら薬草も全く効かないんで、、諦めるしか無い」だと。


「ま、それよりタコだ!」泉さん


晩飯のこっちの料理と一緒に酢だこをくう。

結構合う。

イヤムにまぜて食ってみた。美味かったので、厨房にもってってみておっさんに食わせてみた。

「へぇ、、、こんどから入れよう、、」と。


たこ、どうやってくってんだろ?と思い聞いたら、

「これだ」

と揚げたタコを皿に盛ってくれた。

塩コショウ+唐辛子の粉を付けながら食うそうだ。


これはこれで美味かった。衣つけてないからうまいんだろうと思った。


タコがあったので銭湯に寄れなかったが、まぁいいか。そのまま酒のんで寝た。

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