第110話 後−37 真夜中のケーキ屋の恐怖


「・・流石に、あれはー、、俺も、無理だ、、、」泉さん非チャンレンジ宣言。

助かった、、一口食って、いらね、とかやられたひにゃー、俺むりだから、、


「ひらっひゃいまへぇ、、ふひひひひ・・」

ブキミな声に、振り返ることができないでいる俺、、、、

カツコツカツコツ足音が後ろから近づく、

ガシッ、肩を捕まれ、

「ほひゃふはん、おすわり!」

俺はそのまま犬のように座り込んだ、


もぐもぐもぐもぐ、ごっくん、、

「ふう、お客さん、なにやってんすか?椅子に座ってくださいよー、、あれ?泥酔なのかな?」


あれ?

振り向くと、頭上間近に、メイド服にメイドカチューシャリボンの二十歳前後の可愛い子、、、


あ、口の周りに食べかす多数、、


こ、こいつっつ!!!


いや俺が勝手にびびったんだけどさ!


アンデットとかだと思ってたことは内緒だ。

まだ見たこと無いモノに対しては恐怖心ってあるよね? まぁ見たくないけど


「おい、学、なにやってんだ、早く注文するぞ!!」ちゃっかし席に着いている泉さん

この怖いものナシさんめっ!!!


注文は、

「ふつーの大きさのパフェで、一番おすすめのうまいやつ!!と、紅茶」泉さん

奴等が食ってるんだ、ここはパフェがうまいと見た!!とのこと。


「んじゃ、俺はー、オネーサンの一番好きなケーキとそれに合う飲み物で。」

ジュルリ、、、

え?と見上げると、伝票に書き込みながらよだれをすすっている子が居る・・・・をい、、、


「やっぱ、この街だから、働く者達も食いしん坊なんだなあ」と感心する泉さん

「そうっすよ!食い物目当てでこの街にいて働いているんですから!」

「偉いな!」泉さん

・・・・・



「ときに泉さん、怖いものってないんですか?泉さんには」

「え?あるよ?」

「まんじゅうとかその後の茶とかナシで」

「・・・・・・んじゃあ、、ケーキかなぁ、」

おいこら、、、


「私は

後ろから乱入食いしん坊娘!注文品を並べながら

「この街が怖いっす、、んもう逃げられないっつ!!!」

「「・・・それは、、怖いな、、、」」


「「あっはっはっはっは!!それは僕らも一緒だよお嬢さん!!」」

ハモる元デブと現デブ


「いや、あなた達は見えなくなる半年ほどありますよね?その間はお国に帰ってるんでしょう?ほんとに逃げられないというのは、、、一 歩 も で ら れ な い ん で す よ 、、」


「「こえぇな?」」顔を見合わせる2人

いや、半年で元にデブるおまえらが怖いよ、、


・・・・この娘、、、食欲魔人か?と思う俺ら2人


「・・おねいさん、そーゆー人たちって、多いの?」俺は訊いてしまった

「あはははは、、多いか?ですって?、、、、、

・・・

そうですね、、この街に、ほかの街から働きに来ている者達、、ほぼ全て、一歩も出ることができないでしょうね、、

ふひひひひ」

こえーからその笑いやめて、、


「もし、出たら、どーなるんだ?」泉さん

「・・・・ほかの土地の飯などとても食えないんで、餓死するか、、なんかの薬が切れたなんかの患者のように暴れて街に戻ろうとするか、、はたまた幻想の中に入り、そこらにあるものを全てくおうとするか、、、」


「「「「こええな!!」」」」


「薬中かよ、、、」

(まぁ、話半分にしといたほうがいいぞ?)泉さん

なるほど、、



確かにケーキはうまかった。が、、

横で床に正座して俺がそのケーキ食うのを凝視しているのやめて!!

「わかったから、おごるから!あんたもケーキと紅茶頼んでいいから!!」俺敗北っ!

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